田中優子法政大学総長・講演 ~ 福岡工業大学・公開講演会

愛読している池波正太郎が愛してやまなかった江戸、最盛期には100万人の人口を擁していた江戸。

その江戸の文学、美術、生活文化を研究し、「江戸の想像力」や「江戸百夢」などの著書でいろいろな文芸賞を受賞した、法政大学総長の田中優子氏が講師として招かれ、「江戸から見る未来 -地域の中の大学と世界の中の大学-」のテーマで、講演会が開かれることを知り、先日8月21日・月曜日に早速、公開講演会を主催した福岡工業大学のFITホールに、聴きにいった。

印象に残ったのが、「伝統を引き継ぐということは、昔のものを今にそのまま伝えるのではなく、変化させていくこと」で、時代の要求に合わせて変えていけば、その中に新しい伝統を見出すことができるかもしれない、と感じたものだ。

世界で最も古い企業は、聖徳太子の時代に四天王寺を建築した金剛組で、通算業歴は1439年。

この宮大工は別格としても、江戸の世から続いている商家は三井、住友、鴻池など枚挙に暇が無いほどで、これらの企業群が今まで生き残ってきたのは、何を変え、何を変えなかったかということも、「江戸から見る未来」のテーマにふさわしい命題になるかなとも考えながら、帰途についた。

久しぶりに考えさせられる、意義深い講演会だったような気がする。



上記写真は福岡工業大学。