理事長戦は延長戦に

28日、九国大付属高校(北九州市八幡東区)が筑陽学園との投手戦を制し、春夏連続の甲子園出場を決めた。

高校球児が活躍した一方で、学校法人九州国際大学の理事長が決まらない異常事態が続いている。
弊社記事「学長人事、理事会否決に怒りの声(6月9日)」で既報の通り、大学側が全会一致で提案してきた大学の学長候補が 理事会で否決された。
学長の任期は8月末まで、残り約1ヵ月の間に学長が決まるか先行きは不透明という。

学長が決まらないだけでも一大事だが、それ以上に 学校法人のトップである理事長が決まっていないことの方がもっと重大だ。
本来であれば 春頃までに後任理事長を決めておくべきところ、学長人事を含め 理事会内部の意見が真っ二つに割れたまま時間が経過、そうこうしているうちに前理事長は6月中に任期終了となり、現在は副理事長が代行している。

理事長は、理事会で 10名の理事の互選で決定される。
現在手を挙げているのが2名、6月末と7月末に開催された理事会において理事長選挙となったが、いずれも 5対5の同数で決まらず 延長戦に突入、結論は8月以降に持ち越された。

野球部はチーム力の高さを証明したが、理事の皆さん、大人のチームワークにも注目が集まっていることをお忘れなく。

福岡大学・やまなみ荘売却か?

福岡大学所有の宿泊施設「やまなみ荘」(大分県玖珠郡九重町)の売却話が本格化しているようだ。

「やまなみ荘」は、学生らの教育・研究活動や職員の福利厚生を目的に、福岡大学創立30周年記念事業の一環として昭和40年、阿蘇くじゅう国立公園内に開設された。
一般利用のほか、学生のゼミ合宿旅行、社会人の研修合宿、生徒・児童の修学旅行や勉強合宿などに利用されており、大学のマンモス化とともに、用地の買い増しや建物の増築、従業員の宿舎も建設する等、多額の設備投資をしてきた。

福岡大学の受験料や授業料、施設費は右肩上がりで資金は豊富となる中、理事長らも大企業の定年組を採用し、さほど経営意欲が無いのを良いことに一部の事務方が悪用、杜撰な大学経営が始まった。
その流れで「やまなみ荘」も、最近は運営も外部に委託するなど放漫経営が続き、ついに手放すに至った。

前学長も事務方の茶坊主を信用し、設計事務所からの甘い接待を受けての発注が、一部卒業生の知るところとなり、わずか1期で任期を終えることとなった。

現在は、負の遺産を引き継いだ朔啓二郎新学長らが経営改革に励んでいるところであるが、今回の「やまなみ荘」売却も、怪しげな不動産ブローカーが蠢めいているという噂もあり、格好の餌食とならないことを切に願っている。

私学経営

福岡市中央区の名門私学である筑紫女学園の理事長は、浄土真宗本願寺派の寺院住職が務めるものだと聞いていたが、今度「お仏壇のはせがわ」相談役である、長谷川裕一氏が就任するとのニュースが入ってきた。
数週間前に同学園が福岡市西区の、「福岡歴史の町」跡地を購入する件に関して、理事の間で賛否が分かれ揉めていることを、地元紙が報じていた記憶がある。
問題の土地の面積だけを考えると決して法外な価格ではないが、用途が決定していない段階で購入した経緯に、不審を抱いた理事がいたことが発端のように聞いていた。
福岡市の人口は7月で155万人を超え、同学園の通学圏内である福岡都市圏もさらに人口が増えているものの、一方では少子化が進んでいるため、今後を見越して男子校の中には、女子生徒を受け入れた私学も増えているが、共学化を考えていない女子校では、生徒の募集に苦慮している学校もあるようだ。
宗教法人の特典を生かし、坊主丸儲けの世界で経営してきた寺院の住職では、私学の経営が難しくなってきた時代だけに、直方の小さな仏壇店を上場企業に育て上げた、同学園の長谷川裕一理事の経営手腕に、白羽の矢立ったようだ。
主流、反主流に二分されている学園を、一日も早くまとめ上げることが新理事長の腕の見せ所で、早晩統一すれば生徒や父兄も安心し、福岡の名門だけに来年の受験生も増え、学園に活気が戻ってくるのは間違いない。


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