JR九州、株主総会前夜

株主総会を前にして、JR九州には緊張感が走っていることだろう。

話題の中心は、外資系ファンドによる株価引き上げ効果のある自社株買い提案をどうかわすかであるが、別件で株主側から質問が出るのではないかと、関係者の間で噂になっている。

昨年9月に発覚したグループ会社のJR九州住宅㈱が金融機関から融資額を増額するために書類を偽装した事件は、JR九州が素早く第三者調査委員会を設置、11月には再発防止に向けた取り組みを公表するなど、一見優等生的な収め方をした。

ところがその調査委員会、退職者を含め取締役以下40名の関係者からヒアリングを行なっているものの、事件発覚の3ヶ月前まで代表取締役だった松尾純一氏からはヒアリングを行なっていないのだ。

松尾氏は事件が発覚した昨年9月末の同時期に関連会社の取締役を解任されているので、事件の鍵を握る最大のキーパーソンとして調査委員会の対象にするのが当然だろう。
形式だけの調査委員会を設置して、臭いものに蓋をしているのではないかとマスコミ関係者は見ている。
この件以外にも、松尾氏が代表だった時代のトラブルが、最近いくつも明るみに出てきている。

JR九州住宅は現在も裁判中で、今後の成り行き次第では、住宅建設にかかる億単位の請負額を回収できない可能性がある。
そのことが株主総会において追求された時に、執行部がどのような説明をして乗り切るのか注目したい。



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