舛添都知事を辞任に追い込んだ?~マスコミの力

最後は安倍総理から引導を渡された舛添都知事だったが、この様な事態になるとは、半年前までは誰も予測していなかったことだろう。
4月末の週刊文春が公用車問題を報じたのがキッカケで、その後第二弾、第三弾と続き、これに一般紙やテレビが便乗し辞任となったものだが、仮にこれを功績というのであれば、かつてのように夜討ち朝駆けをいとわない、新聞記者与えられるものではなく、一段軽く見ていた週刊誌記者たちに与えるのが筋だろう。

昔は新聞記者といえば猛者ばかりだった。
情報の世界に身を置いていただけに、たまたまそうした記者ばかりと付き合っていたからかもしれないし、また当時は新聞社も金回りがよく、福岡の記者たちが使うハイヤー代だけで、月間1500万円を超えることもしばしばで、社も経費を削れなどと野暮なことは口にしなかった。
労働基準局は怒るだろうが、勤務時間が9時から5時までとか、日曜祭日は家族サービスというのはありえなかったからかもしれない。

ところでマスコミの世界で、ミスが許されないのは今も昔も変わらないが、最近は重箱の隅をつつくような揚げ足取りが増えており、トラブルを抱えると時間のロスが計り知れないため、効率よく仕事を消化することを考えれば、全て役所から発表された材料で記事を書けば、平穏無事な記者生活を送ることが出来るのだろう。
だからどの新聞を見ても、紙面に変化が乏しく、面白み欠け、速報性だけが優先されるようになり、ネットに目が移っていくのは当然のことだろう。
公表されている新聞の発行部数は、かくあれかしと願う割増された数字でしかなく、実数は毎月落ちており、これに比例して広告収入も低下して、経営陣は所有する不動産でどうすれば
収入の道が広がるかだけ、考えているのではないだろうか。

近い将来大手といわれる新聞は淘汰され、あとは紙面を経済に特化した日経新聞と地元ニュースを満載する県紙だけとなり、中央の記事はペーパーを持たない、通信社の配信ニュースを転載すれば、大半の記者は必要なくなる時代が来るかもしれない。今は過渡期ではないかなとつくづく感じる。


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黒か白か~それとも

昔から日本独自の判断基準として、「黒か、白か」の決着をつける前に、その間にある灰色の部分で、両方の顔を立てるために、曖昧に決着をつけることがあったが、最近では一般市民の傾向として、黒白をはっきりつけることが、多くなったように感じられる。
ところで我が国は、立法権、行政権、司法権の三権分立で、法治国家として運営されていると、大昔に学校で習った記憶があるが、現政権を見ていると、行政の長である安倍総理大臣が、三権の総てを牛耳っているようにも思える。

司法の要である検察庁、中でも東京地検特捜部は、かつて鬼より怖いと評判を取っていたが、最近は爪も牙も抜かれ果てたのだろうか、不起訴処分が目につくようになり、犯罪者からも完璧に舐められているかのようだ。
元閣僚の甘利氏などは、大臣を辞職し国会を欠席、病気を理由に雲隠れしていたが、人の噂も75日の例えがあるように、最近は現場へ復帰し、何食わぬ顔でしらっと挨拶しているのを見ると、司法の無力さ痛感させられる。
その一方で、舛添東京都知事に関しては、都議会が公私混同を追及しているものの、追及している都議自身が公私の区別をつけているのか疑問で、質問がもう一歩踏み込んでいないため迫力に欠けている点は否めない。
またテレビや新聞などのマスコミも、無難な発表モノを面白おかしく騒ぎ立てはするものの、独自のネタは皆無に近いため発展性に乏しく、尻すぼみになるケースもよく見られ、ひょっとしたらこれからは、素人のネット記者が横行する時代になるのではないだろうか。


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