適正な議員報酬と供託のすゝめ

小竹町の町長選と町議選の結果が出た。
高齢化率42.1%(令和4年4月1日)と県内で3番目に高い町で、課題が山積しているところ、新しい町長と議会、共に力を合わせてまちづくりに取り組んで頂きたい。

今回町議選の立候補者の年齢が目を引いた。
議員定数12に対し14人が立候補、そのうち65歳以上の高齢者が9人(後期高齢者4人)、一番若い人で59歳である。

その原因は、「高齢者が多いから」というより「議員報酬」の低さにあると言える。
小竹町の議員報酬は月額 22万5000円、ちなみに地方公務員の平均給与月額は 37万4000円、これをはるかに下回っている。
年金生活者や専業主婦、余裕のある自営業者なら 何とかやっていけそうだが、さすがにこの額で議員の仕事に専念するのは無理がある。

報酬の原資は住民の税金、いくらぐらいが適当か様々な意見があるだろう。
議員の仕事は「公務」と「自主活動」に分かれるが、定期・不定期の「公務」に拘束されるのは1年のうち5分の1くらいだろうか。
それ以外の「自主活動」の時間は自由で、 昼夜質問の準備や住民のために走り回る議員もいれば、兼業に専念する議員もいるので一概に判断するのは難しい。
また議員は4年に1度は選挙があり、小さい自治体でも 100~500万円、最低でも 50万円程度はその費用に消えていくことも考慮しなければならない。



ところで、須恵町の12月議会において、議員報酬を 現行の26万4000円から28万9000円と 25000円増額する議案が上がっている。
町長による提案理由を紹介したい。

地方議員は、公人であり住民の福祉の増進を第一に考えるべきですが、一方生活を営む個人であり、地方議員を職業としてとらえた場合、少なくとも任期の4年に一度は、生活環境が大きく変わる可能性があること、また議員として社会保障制度など一般の職業と比較してリスクが高いことが考えられます。
また、住民の代表者として、年齢や性別は問わず多種多様な方々が立候補する中で、より優秀な人材を確保し、議会力向上を図るためには、議員活動に専念して生活できる環境を整備することが、必要であると考えています。

信じられないかもしれないが、議案書を読めない(読もうとしない)議員や、質問をしない(できない)議員がいるのも事実である。
本当に優秀な人材に立候補してもらうためには、議員に専念できるだけの報酬、最低でも地方公務員の平均給与並みを補償する必要があろう。

こうして しばしば地方議会で議員報酬を増額する議案が出てくるが、特に昨今の物価上昇で住民生活が厳しくなりつつある中、なかなか賛成しにくいのでは。
議員定数の削減とセットなら住民の理解も得られやすいが、最後は議員の判断に委ねられる。
いずれにしても、首長が報酬審議会に諮問して「増額が妥当」という答申が出たのであれば、堂々と賛成して良いのではなかろうか

もちろん、議案に反対する議員の判断も尊重したい。
但し、賛成多数で可決した場合、反対に手を挙げておいて その後 増額分を受け取ることがあってはならない。
仮に受け取ると 「パフォーマンスだった」と有権者から批判を浴びるのは必至だ。

そこで、受け取らないという選択がある。
議員報酬は自治体に返納すると 公選法上の寄附行為に当たるので、それを避けるために、不要とする報酬分を法務局に供託するという方法だ。
毎月法務局に増額分を供託し、議員である限り続け、いよいよ引退した時点で自治体が使えるようにする、全てオープンにしておけば批判は浴びないだろう。

小竹町の町議選立候補者の年齢と議員報酬を見て、あれこれ考えてみた。

戦い終わって

統一選挙が終わり立候補した人は、当落に関係なく後始末に終われていたが、支援者へのあいさつ回りも一段落し、各自治体の議会も始まったようだ。

地方自治体の議員を務める先生方は、議員報酬の関係もあって、個別の事務所を持っている方は少なく、自宅や議員控え室を利用している方も見受けられるが、選挙になれば選挙事務所を設け、選挙活動を行うのが恒例になっている。

立候補者や事務所責任者が中心になって、一つの目標に向って行動するところから、一体感から生まれる独特の雰囲気の中で、恋愛感情が芽生えることもある。
中には、県会議員に当選してロマンスが生まれたケースもあるようだ。

しかし一方で、最近はパワハラやセクハラが取り沙汰され、一歩間違えば長年に亘って築いてきた信用と共に政治生命を失う事もあるから恐ろしい。



続きを読む