職員採用贈収賄事件の波紋

5月10日、福岡県みやこ町の上田重光町議(72)が同町職員採用に絡む収賄容疑で逮捕された。
受け取った現金は数百万とされており、贈賄容疑で受験者の両親と仲介者の土木建設会社社長も逮捕されている。

みやこ町周辺の自治体では 職員採用の不正の噂は以前からあり、考えられないような裏技が使われた例がある。

その自治体(仮にY市とする)では、2018年度の職員採用試験の1次試験(上級事務職)では、29名が受験、200点満点で1位168点から最下位58点、平均点が101点という中で、なんと29名全員が合格という結果だった。
因みに2017年度の同試験では31名受験して14名合格、1次試験で全員合格というのはどこの採用試験でも聞いたことがない。

Y市の事情に詳しい人の話では、「2次試験と最終試験は面接や集団討論等でどうにでもなるので、1次(教養・専門の筆記)だけは自力で通過して」というのが通例、合格できたら300万円の謝礼が相場という。
今回のケースは 依頼された受験者の点数が最下位に近かったことで、止む無く全員合格させたのではと見る向きが多いが、これが事実なら 市役所内の相当な実力者からの指示があったと考えられる。

贈収賄の噂もあり Y市における立件が本命視されていたが、ダークホースのみやこ町に先を越された格好だ。
採用試験に際し、みやこ町職員の関与があったとの報道もあり、上田容疑者からの直接の指示なのか、それとも市の幹部も承知していたのか、今後の捜査の行方に注視していきたい。

衝撃の議会中継

国会の予算委員会のテレビ中継と違って、地方議会は原稿の棒読みが殆どで、退屈の極みだが、福岡県のある自治体で、例を見ない 熱い議会中継が配信された。

市議会の特別委員会、市長、副市長、担当部課長らが出席する中、議員から執行部への質問が始まったが、その中でA議員から出た爆弾発言があった。

要約すると次の通り。

私が市長を信頼できなくなったのは、1期目の時 市長に呼ばれ「あなたは与党でいくか、野党でいくか。1期目では たいした仕事はできない」と言われてからだ。恫喝のようで圧力を感じた。

昨年6月、私が庁舎建設について一般質問の通告を出していたところ、市長の後援会長を務める地元K社の社長とG社の社長から割烹に呼び出され、
一般質問で余計なこと聞かないでほしい。
それから今後進められる学校建設についても 市長・副市長と我々3社で話がついて、設計会社もゼネコンも既に決まっているから 余計な質問はしないでほしい。
黙ってくれれば ゼネコンにお宅の会社をゼネコンに推薦してやる。
そうすれば3000万円にはなるだろう。」

その一部始終が、ケーブルテレビでお茶の間に配信された。
会議は収拾がつかず、次回へと続いていくことになった。

歪んだ3号線広川~八女バイパス「八女市編 ①」

現在、国道3号 広川町~八女市間のバイパス建設事業化に向けて、国・県・八女市・広川町で協議が進んでいるが、国から図面(詳細なルート案)が示され、八女市と広川町が県に都市計画決定の要望をしている段階だ。

八女市・広川町は、ルート案について了承したことになっている。
しかし、学校や生活面に大きな影響を与えるにも拘わらず、地域住民への周知が十分にされないまま、急ぎ足で法定手続きを進めており、地元からは不満や戸惑いの声が上がっている。

話は変わるが2ヶ月程前、政治家の贈収賄についての投書があった。
それは、県南の田園都市における土地改良区事業に係る贈収賄についてだった。



2007年6月28日付、福岡地方検察庁検事正宛の告発文のコピーで、告発人の名前は消されており、手書きで「このたびの件は大物政治家の介入で事なきを得ていますがまだ外に業者からのワイロが沢山ありますので警察も全見逃すことはできないと思います。しっかり監視して下さい。(原文ママ)」と書かれていた。



告発文の内容を要約すると、「土地改良(農業促進のために行われる基盤整備)事業は、原則農地を宅地にして売却してはいけないが、減歩して余った土地を宅地にして売却し、利益を上げてきた。その謝礼として土地改良区理事長N氏は、便宜を図った県議M氏に400万円を支払った。それらは贈収賄にあたり、その2名を告発する。」というものだ。

興味は湧くが、古い話で既に時効も成立している。
出どころも不明、偽造の可能性もある。

しばらく書類の中に埋もれていたが、つい先日、国道3号のバイパス計画を取材している際、贈賄で告発された理事長N氏と懇意にしていた方(Aさん)に偶然出会うことができた。

ー 続く ー

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賭け麻雀よりも

検察トップがマスコミの記者と、非常事態宣言下の東京都内で賭けマージャンを行っていたことが報道され、辞任に追い込まれた。

最近でこそ、一切金銭を賭けない健康麻雀や認知症予防を兼ねた麻雀が流行っているようだが、麻雀をする大半の人は賭け麻雀の経験があり、そのものについては批判し難い部分もあるだろう。

むしろ今回の問題は、帰りのハイヤー料金を民間のマスコミ側が支払っていた点で、贈収賄を含めた問題ではなかろうか。

博徒が行なっていた昔の博打場では、大きく負けて帰る人には、電車賃など何がしかの小銭を持たして家に帰すという、粋な習慣も有った様に聞いたこともあるが、もうそんな時代では無いということだろう。