[2009年4月 9日 08:43更新]
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(09年3月号掲載)
3月12日の為替は1ドル=95円台。同9日の日経平均株価はバブル後最安値を更新する7086円をつけた。こうした状況を、みなさんはどう考えておられるだろうか。
円が高すぎて物が売れない─多くの輸出依存型企業が円高に苦しんでいる。いいじゃないか、もう先進国なのだから、と私は思う。
円が高いというのは、他国の企業を安く買収して販路を開拓するなど、逆に新たな戦略を生むチャンスでもある。しかしグローバル化のチャンスがあってもあまり積極的に活用できる体制にないのが現実。だから、世界的リーダーになろうとせずに躊躇する企業ばかりである。
だが消費者にとっては円高はハッピーなこと。日本人の富はほぼ不動産資産である。だから一般人にとって株価下落は大した問題ではない。
1億円以上損した人もいるが、一般人の率直な感想は「海外旅行で安く買い物ができる」といったところだろう。事実、旅行会社に問い合わせたら3、5、9月の連休はすべて、海外旅行は満席だそうだ。 1度ぜいたく(利便性)に慣れたら元に戻れないというのは本当だと思う。
車が売れないといっているがこれは一時の話。タイミングが来たら一気に車も売れると見ている。高くてもエコな車を選ぶ者もいるだろうし、高級外車がいい者は他人が何と言おうと外車を買う。
ぜいたくになったと言うよりは、日本人の欲求の対象が、衣食住といった生活の基本的なものから洗練された文化社会へと変った─と言った方が正確かもしれない。景気のサイクルはこんな風に循環している。
もし真剣に円安に誘導したければ、徹底して日本政府の無能さを露呈したらどうか。こう考えると中川昭一元金融相のへべれけパフォーマンスは、確信犯であればあっぱれである。ただそれも程度問題で、あまりに真の姿がさらけ出されると、円を投げ売る動きが出るかもしれず逆に怖いが。
与謝野馨財務相が株価の低迷に関して「静かに推移を見守っているが、必要以上の下げは看過することが出来ないのは当然」と語った。一方、中国は昨年の6兆円を越える景気対策に加えてインフラや製造、福祉分野で支出を拡大すると発表した。これを受けマーケットは反発している。
どうして中国にできて日本にできないのか。オリジナルの景気対策を出せ、静観なら誰だってできる。さもなければはっきりと「日本は、各国の経済政策が功を奏して株価が上昇するまで静観します。それまでには総選挙をしますから一時、国際経済政策論議には口出ししません」とでも言えば、株の投げ売りと円売りで一気に円安になるだろう。
株価が下がるとすぐに大統領の力量を問うアメリカとは違い、日本の一般市民は「株価など、どんどん下がってもいい」と考えているのではないか─とさえ思う。その一方で東証株価7千円とNYダウの7千ドル=70万円、このキャピタル(富)の差には愕然とする。
政権の評価を株価に連動させようとは思わない。だが、このままではいずれ日本の大企業が中国などに買われる時代が来るかもしれない。
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