[2009年5月 8日 09:34更新]
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(09年4月号掲載)
主要20カ国・地域(G20)金融サミットが4月2日に閉幕した。協調して各国が財政投資すれば、1国だけの国債が下がることなく金利の高騰も起きない。いい考えだと思う。
4月10日の段階で、日経平均株価は9千円前後に回復し、円も100円台に弱含み。輸出企業にとっては「やっと日本の景気も底を打ったか」という感じだろう。少なくとも、実に長い間乱高下したアメリカの株の動きに一喜一憂しなくてすむようになった─というのが私の実感だ。
要するに、日本での景気刺激策が良くなくても、アメリカや中国の国内景気刺激策が功を奏しさえすればいい。他国の経済が良くなり、その恩恵が日本に回ってくるのを待つだけで十分。「アメリカがんばれ」=「ザ・日本政府の景気対策」であることが、あらためて証明されたと言える。
果報は寝て待てとはよく言ったもので、政府はこの瞬間を待っていたはず。そして国民は、少なくとも景気に関しては、誰が首相をやっても同じだということを再認識したことだろう。
だが本当にこれで日本経済が良くなるのだろうか。
現在、NYダウが上昇している。その要因に、ウェルズ・ファーゴ銀行の四半期予想が30億ドルの大幅利益予想だったこと、アメリカの新規・中古住宅販売が前月比上向きになったことが挙げられる。どちらも良いニュースと思う一方で、情報の読み方が少し慎重にならざるをえない。
ウェルズ・ファーゴ銀行については最近250億ドルの政府支援を受けているので、それで貸し倒れをうんと引き当てて損を出し、翌四半期に財務諸表上だけ実質形式利益が出たようにした疑念が残る。
本来であれば2期連続赤字となるのだが、それを素直に公表すると株は紙切れ同様になる。だから前四半期に政府からの支援金を使ってわざと巨額の赤字を一気に計上しておいて、今期は黒字に見せかけているのではないか。
だとすれば、こんな単純な決算書のトリックで株式市場を操作するとはCFO(最高財務責任者)、あるいは実際にシナリオを描いたかもしれないハーバード大卒の秀才達=配下の投資ファンドも相当のしたたか者だ。
住宅販売の伸びについても、単純に肯定的要素として受け止めるわけにはいかない。若者を含め、初めて住宅を買う人が増えたということであれば、アメリカ国民全体の景気を占うという意味で、本当に素晴らしいニュースだと思う。
だが、はたしてどうか。アメリカでは住宅価格が35%も下がり金利も今世紀最低、差し押さえ物件も多い。そんな今こそ住宅を買って将来資産家になろう─というコマーシャルがあふれている。
アメリカは金持ちが多い国だけに、好条件のうちに2軒目を買っておこうという人が増えた─というのが実態なのではないか。
日本も含め一般人の失われた財産は、ちょっとやそっとじゃ返ってこない。金持ちはさらに金持ちに、貧乏人はどんどん退場して行く。少なくとも、われわれは今まさに、貧富の格差が広がる過程のまっただ中にいることは間違いない。
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