[2010年2月19日 14:28更新]
| コメント(0) | トラックバック(0)
(10年1月号掲載)
「2010年もいい年になりますように」。神に祈るべく三社参りを行った。だが「年末商戦を終えた福岡のデパートをはじめ、企業の売上が上向いていない」といったニュースを聞くにつけ、人々の財布のヒモがまた一段と固くなったことを実感する。
私自身も贅沢品や外食、むだな買い物を控え家計の支出を落としている1人。こうした個人消費の落ち込みが、知らず知らずのうちに企業の売上減に寄与し、それが給与に影響しているのは言うまでもない。
昨年来、企業の経営者や資産家と話をすると「福岡の景気はどうなるのか? どうしたら良くなるのか?」と問われることが多い。
「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざ通り、一部の景気が回復すると連鎖的にその他にも好影響を及ぼすということはありえる。だが現状では、例えば自動車産業が回復したとしても、以前と同じような勢いは望めず「風がいまだに凪いでいるから桶屋が儲からない」状態の企業ばかりだ。
経済はもともと、単純な「2次元的発想」では説明できないものだ。クローズ状態の経済世界ならまだしも、今は残念ながら国境がオープンになり、いわば10次元、20次元、あらゆる軸で経済活動は成り立っている。
企業・業種・国際間での相互作用だけでなく、本来経済活動といえないような地球環境や気象、政治の安定といったものまでもが影響を及ぼす。だから業種を超えて福岡経済全体の行方を聞かれると言葉に詰まる。
福岡県の産業構造は漁業・農業を中心とした第1次産業、大手自動車や電機メーカー、製鉄・機械等の第2次産業、九州全体の消費者を対象としたレストラン・デパートをはじめとする商業・サービス業などの第3次産業-となっている。
だがよく見ると、第2次産業は他県に本社を置く大手自動車会社や家電メーカーの下請けであり、第3次産業もその多くが他県の商品で成り立っている。給与として落ちる以外の企業利益はその多くが他県に流出しており、福岡としてはそれをコントロールできない以上、メリットは少ない。
公共事業もあるにはあるがこれも国レベルの施策の話で、納めた税金がそのままこちらに還元されるのかどうか、地方がコントロールできるわけではない。
他県から福岡に進出している第2、3次産業関連企業は、ここよりも競争力が高い場所を確保できればいつでもそちらへ移ることができる。つまりは親会社の意向次第。日本経済の回復が福岡経済のプラスに直結しないこともありうるため、第1次産業以外は先行きは決して明るくない。
そうは言っても、中国や韓国に近いという地の利を活かした特区構想や空港・港湾整備で関東・関西をしのげば、福岡経済の力強い景気回復が見込めるはず。地元でコントロールできる強い経済圏を持つこと、これこそが重要だと考える。
他県に位置する大手企業は今や世界との競争が激化しており、福岡県民全体を牽引する力はない。われわれ経済人としては「福岡の殖産興業」を独自に考えなければならない時期に来ていると思う。
| コメント(0) | トラックバック(0)
■関連記事
この記事にコメントする