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[記事カテゴリ:Mr.カウボーイの政経時事放談]
国家間の貧富の格差が広がる時代に

[2010年5月13日 10:59更新]

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(10年4月号掲載)

100円ショップ、ファストファッション、B級グルメ。毎日のように発信される消費減退や節約の報道。こうしたデフレを感じさせるニュースと、自分の財布のひもとが連動しているように思えてくる、今日この頃である。 

今回の景気後退は08年のリーマン・ショックが引き金とされ、日本発ではなくアメリカ発というのが大方の見方だ。アメリカから日本に向けられる投資、アメリカが買う日本製品。両方が大きく減少したため、アメリカに頼っていた日本経済は大打撃を受けた─こう言っていいと思う。 

リーマン・ショックにいたった原因は07年のいわゆるサブプラムローン問題、住宅バブルの崩壊である。この問題の本質はサブプライムローンという制度自体にあるのではない。

アメリカ経済の底辺を支える多くの労働者が失業、低賃金化したことで個人消費が落ち込みローンを返せない人たちが増え、最終的に金融商品に跳ね返った。それを生み出したのは経済のグローバル化による「貧富の格差のグローバル化」であり、これこそが問題の根本にあると考えている。 

アメリカで取りざたされてきた個人レベルの貧富の格差は、長い間アメリカ1国だけの「国内問題」であり、日本にとっては「対岸の火事」だった。

ところが、世界のあちこちで米国MBA理論とかアメリカ的経済観・企業倫理観が定着しグローバルスタンダードになったおかげで、貧富の格差は個人から国家レベルへと拡大してしまった。地球規模、国家同士の間で格差が生じているのが現実なのだ。 

国家間レベルの富の流れはアメリカから、より大きな労働力・消費力(=人口)を持つ国、例えば中国やインドへとすでに変わっている。投資は、弱っている国より伸びている国に向かうものだ。そこでは、労働力のスキルも一段と高いものが求められ、要求の内容そのものも変化し続ける。それに合わせられた国家と労働力だけが生き残り、合わせられない国家との格差はますます広がっていく。 

リーマン・ショックと呼ばれる不況はつまり、アメリカに住む多くの労働者が、このように世界規模で広がっている貧富の格差の「荒波」に飲み込まれた結果、と見るべきである。 

 

自国の労働力の流動化と再雇用・再教育するシステム、労働者を支える制度がない日本。このままでは、世界から永久に取り残される労働力が発生してしまう。そうなると国家間の経済競争に敗れ、日本経済は最終的には個人消費を中心に疲弊し、リーマン・ショックのような日本発の「何か」が起きてもおかしくない状態となるだろう。 

日本が世界から落ちこぼれることがないようにするには、単純にアメリカを真似るのではなく、欧米の失敗を糧にして中小企業の空洞化を食い止めたり、一企業での終身雇用にこだわらず年齢や定年、新卒・中途も関係なく働ける、そんなシステムが必要だ。 

いや、福岡だけでも、こうしたシステムや技術終身教育、社会制度の充実を図ることができれば世界で勝てる。私は1人、こう考えているのだが・・。

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