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[記事カテゴリ:J氏の独り言]
黒塗りの乗用車

[2008年5月12日 13:01更新]

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ゴールデンウィーク期間中、家族や恋人と車で旅行やドライブを楽しんだ人も多かったと思う。

年齢を重ねるにつれて車を一種のステータスと考え、特に運転手付きの黒塗り乗用車に一度乗ると、異常なほど執着心を持っている人がいる。高級官僚や金融機関などのトップには、この手の人種が意外に多いように思われる。

 

かつて地元銀行で「中興の祖」と言われていたトップ。役員会で緊急動議が提出され、全員一致で退任に追い込まれる事件が起こり、一時行方不明となって話題になったことがあった。

この騒動の発端は、運転手が毎日書いている日報によって夫人が時間外や休日に社用車を使用したことが発覚したことだった。その後、内部調査が進むに連れてトップらによる銀行私物化の実態が明らかとなり、取締役が一致団結して前述の決議、退任劇へ発展した―と当時の役員OBが語った記憶が蘇った。

確かにこのトップの経営手腕は高く評価されており銀行の営業成績は回復していたのだが、在任期間が長くなるとともに行内によどみが生じ、公私混同が起こり始めていたようだ。

 

企業によってはトップが役員運転手の日報を時々チェックして幹部の行動を把握しているという話も聞かれ、加えて運転手の控え室での話題が噂となって流れ、失脚した例もあるから怖い。

自分の財布から払うタクシー代を倹約した結果、公私混同が発覚して地位を失う。そうなると元も子もなく、人からバカにされてもほめられることはない。場合によっては足元をすくわれることにもなるので、お抱え運転手に気を許さぬことである。

地方自治体の中には赤字で苦しんでいる所もあり、経費削減を掲げた首長の中には、選挙の公約通り黒塗りの専用車を廃止し、不要となった車を競売にかけて売却したケースも多い。

その一方で、自室の部屋、秘書、運転手付の乗用車―これらを自らのステータスを維持する道具と錯覚し、複数の「老人おもちゃ」に年間数千万円支払っている企業もある。実にバカげた話である。

(J)

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