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東栄建設と親和銀行

[2008年6月25日 10:37更新]

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(08年6月号掲載) 

姉歯元1級建築士の耐震偽装事件に端を発し昨年、建築基準法の大幅な改正が行われた。その結果、建築確認の審査期間が大幅に延長され、申請を行っても許可予定の目途が立たない状況が続き、建設業界からは「一部の不心得者のおかげでなぜ業界全体がとばっちりを受けなければならないのか」と怒りの声が上がっている。

2、3カ月の着工遅れはざらで、さらには中国を始めとする経済新興国の需要の伸びに原油高が加わって原材料費が高騰。これが建築費の増加へとつながり受注はしても赤字は避けられない。

途方に暮れた建設業者は泣く泣く仕事をしているが、中には自主的な廃業を考えている業者も多い。

 

長崎市で誕生した「東栄建設」は、親和銀行をメインに順風満帆の道を歩んで来た。

特に元頭取との密接な関係が生まれてからは「親和銀行建設部」の異名をとり、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで売上を伸ばし、長崎県の同業他社から羨望の的となっていた。

元頭取がスキャンダルで失脚するまでは、同銀行の「裏金」の一部を捻出する任務を担っていたといわれ、融資の中には銀行側へ還流して不良債権化したものも含まれている、との噂も聞かれる。

 

スキャンダルが発覚して以降、親和銀行は監督官庁から九州銀行を押し付けられ、同時に不良債権化した不動産も抱えることになった。その処理に苦慮した銀行側はデベロッパーと組んで積極策を展開。東栄建設もその拡大路線の先兵として一翼を担っていた。

だが、支店用地の取得などが失敗して多額の不良債権が発生するも、銀行からの補填救済はなく、借り入れは塩漬け状態で推移していたと言われる。

 

東栄建設グループが長崎市内に建設中の分譲マンションも、当初は親和銀行での資金調達が想定されていたようだ。それがここに来て難しくなったのか、新たな資金源を求めて代表が福岡を頻繁に訪れている噂も聞かれ、何らかの新しい動きが考えられる。

 

親和銀行の新しい経営陣は、福銀グループの意向もあってダーティーな面を嫌い、法令順守を前面に打ち出した方針は堅く守られている。不良債権の処理が進められる中で同社の名前が急に浮上してきた。

親和銀行の不良債権処理は、不採算部門の整理を会社側に求め、銀行も損切りを覚悟で一括して整理するという、かなり大胆な方法が採られて来た。東栄建設も例外ではなく、今期中に整理が行われるとの情報も聞かれる。それには過去の銀行との関係を「封印」する条件も含まれているといわれ、双方の駆け引きが行われている模様だ。 

親和銀行側もかなりの損切りを覚悟。不良債権を一括処理することで銀行のイメージダウンを避けつつ、東栄の名を残すことで経営者のメンツを立てる方策を模索し、水面下で調整が行われていると、長崎の方から伝わってきた。タイムリミットは9月末と言われ、今後周辺の動きが慌しくなることも予想される。

(J)

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