[2009年4月 3日 11:01更新]
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(09年3月号掲載)
菓子業界にとって一大イベントである2月14日のバレンタインデー。その売り上げ集計も終わらぬ同20日、福岡市に本社を置く洋菓子製造業「第一経営」(博多区)が破綻したとのニュースが飛び込んできた。
聞き慣れぬ会社名と負債の大きさに驚き取材をすると、短期間のうちにM&Aを繰り返し、急速に売り上げを伸ばしたことが判明した。現代表は経理関係の仕事に従事した後に1971年、博多区で割烹「蔵前」を創業。有限会社を経て92年に株式会社に組織変更したという。
翌93年に「パン工房・楠」をオープンさせたのが快進撃の始まりで、素晴らしいブレーンを得たのか、95年にはパン製造工場を新設し、さらには破綻した「お菓子の欧州」を買収。製造能力のアップと販路拡大で売り上げは急速に伸び、金融機関の支援もあって経営不振に陥った「神田精養軒」などの名門老舗を次から次に傘下に収めていった。同時に東京・横浜・神戸・広島・福岡に工場を開設し、最盛時には180億円の売り上げを誇るグループに成長していた。
傘下企業の3社は2月20日までに株式の清算決済を行い離脱、グループ全体の負債総額は約100億7千万円と伝えられている。会社の扉には弁護士名による文書が張ってあり、弁護士事務所で自己破産の準備中と聞くが、3月12日時点で福岡地裁への申請は行われていない。
確かに関連会社も別々に法的申請を行うと仮定すれば、資料や書類も膨大な量になると想像できるが、弁護士事務所から債権者へは何の通知もなく、不審の声も聞かれ始めた。
同社が積極的に行った拡大路線はM&Aの繰り返しと言っても過言ではなく、極めて資金需要が旺盛であったと思われる。民間調査機関の資料によると、取引金融機関は福岡銀行を筆頭に都銀などが名を連ねているが、時間が経つにつれて地銀の名も浮上し、金融負債についての疑惑が漏れ聞こえてきた。
債権者である取引銀行は年度末を控え、債権の確定を行うために情報収集をする。その過程で、銀行借り入れ明細書が数種類あるのに気が付いたようだ。
一説によると代表は過去の経験から非常に係数面に明るく経理事務に精通していたという。資金はすべて銀行で調達していた模様で、事実は法的申請が正式に行われた後、明らかになるだろう。
疑問に思われるのは、高齢とは言えこれだけ事業欲旺盛な代表が、なぜ継続を願わずに自己破産の申請を決断したのか、ということ。一度、直接話を聞いてみたいものであるが・・。
(J)
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