[2009年5月13日 09:41更新]
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GWが明けると何だか急に陽射しが強くなった気がする。爽やかな新緑の季節を迎え、つい思い起こすのは、日立グループのテレビコマーシャルに出てくる枝を広げた1本の大きな木。みなさんもCMソングとともにすぐ思い浮かべることができるはずである。
何という名前の木なのか、どこにあるのかすらも知らないが、とにかく印象深いのは間違いない。ところが最近、あの木の下の方の枝が黄色になり、枯れ始めた─との話を先月末、飲み屋で耳にした。
時を同じくにして、「日立製作所」が3月期の連結最終(当期)赤字予想が7000億円を超えると発表した。
同社は言うまでもなく日本を代表する総合電機メーカーのトップ。来年創業100年を迎える老舗企業で、関連会社まで含めると1000社を数える巨大グループである。数年前、売り上げ確保のために前倒しの売り上げを繰り込む粉飾をしていたとの情報があったが、ついに膨大な赤字が表面化した。
巨大な組織である以上、末端の1社が1億円の粉飾を行えば、グループ全体では巨額な赤字になるのは当然である。それも数年前から始まっていただけに、赤字体質は慢性化し末端は血行が悪くなって壊疽(えそ)を起こしていたと言っても過言ではあるまい。
これに伴ってトップ刷新人事が3回も発表された。巨艦が即座に方向転換できないのは理解できるが、あまりにも無様な経営陣に驚いた。これだけ巨大な企業グループの役員ともなれば、大半が60歳を超えた老人集団と想像できるが、変化のスピードが早い今の時代に対応できるのか、大いに疑問を持つのは私1人ではないだろう。
60歳を超えると闘争心が衰え、老後を考え始めて守りに入るのが常。技術的にも競争の激しい業界にあって、状況を理解できないのではなかろうか。また肉体的にも、海外企業との業務提携など非常にハードな日常業務について行けないのではないか。
医学の世界でも技術は日進月歩で進んでいるが、60歳を超え活躍している医者の話は聞いたことがない。今の日立には、厳しい競争に勝ち抜くため若手をトップに据えるなどの「外科手術」が必要なのは明白と思うのだが。
米国発の金融恐慌対策として、麻生内閣は国内の企業救済を実施するために産業再生法に基づく公的資金の活用を掲げており、これを利用することを同社内で検討しているとの情報も聞くが、実に情けない。
肉を切らせて骨を断つ戦法は死中に活路を見出す事で、その一瞬の決断を下すのは年老いた現経営陣には無理と思われる。現状を見る限り、とりあえずの延命策後は、国に委ねる以外に道はないのかもしれない。
(J)
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