[2009年5月28日 10:29更新]
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生鮮3品と呼ばれている肉、魚、野菜の取引が行われている中央卸売市場。中でも鮮魚市場は、市民の台所に直結しているだけでなく「長浜の市場」として市民に親しまれ全国に知られた存在である。そんな魚市場で、業者の間で架空取引が行われていた疑惑が発覚し、かなりの被害が出そうな雲行きとなってきた。
今回取引の対象となったのは冷凍マグロ。「福岡中央魚市場」(金丸直之社長)などが行っていたマグロの取引が、この1年あまりで激増、その額は数十億円に上ると見られる。
福岡でマグロの取引量が急増していることは市場内外で話題となっており、東京・築地の市場関係者の間でも「魚離れが進んでいるこの時代に、なぜ福岡でだけマグロが売れるのか」と疑問の声が上がっていたという。
ところが本紙取材によると、マグロは業者間で循環しており最終消費者に渡ることはほとんどなかったようだ。この取引は結局今年3月で破綻、おかげで巨額の債務が仲卸業者などに発生し、老舗の業者「喜平商店」(同)が休業するという事態となっている。
本紙報道後、関係者は責任を逃れるために右往左往。中央魚市場は「知らなかった」と主張弁明しており、報道前の段階ですでに市場に強い影響力を持っている福岡市議に対して自社に都合の良い報告を行っていた模様だ。
また、漏れ伝わってくるところでは、市場を監督・指導する立場にある福岡市側は「うちには責任はない」とまったくの逃げ腰で、事実関係の詳しい調査どころか責任回避に躍起。26日には一部マスコミに対して「架空取引だったという関係者もいるのは事実だが、確認できないので、通常の取引だった」と訳の分からない論理でもって結論付けたという。何とも情けない話であるが、現段階でこのようなことを言ってしまって大丈夫なのだろうか。
この間の取引が架空である以上、売上高や利益も当然見せかけのもの。中央魚市場の経営責任だけでなく、福岡市の監督・指導責任も問われるのは必定で、追及するために一部の市議会議員が情報収集を始めたとの噂も聞く。
本紙報道を受け一部のマスコミもすでに動き出しているようだ。だがニュース価値はないと判断しているのか、あるいはそもそも関心がないのか、いまだ大手新聞・テレビの報道には乗っていない。
現在福岡の魚市場では、中央魚市場をはじめ国から許可を受けた卸売業者3社が営業を行っている。過去においては、商事部を設けてダイヤモンドなど宝石を扱い、多額の不良債権を発生させるという苦い経験を持つ会社もある。今回の架空取引も、こうしたデタラメな経営を生むような素地が魚市場にあることの証明といえるだろう。
福岡市の予算を利用した施設の中には、設備の不具合などから効率の悪い運営がなされているものがある。架空取引発覚後の各関係者の動きを見ていると、市場もその1つと言うほかない。これを契機に市場の正常化を願う声もあり、利権で甘い汁を吸っていた連中を排除する動きも強まるかもしれない。
(J)
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