[2009年6月30日 11:03更新]
| コメント(0) | トラックバック(0)
(09年6月号掲載「福博噂話」)
人は疲れた時など無性に甘い物が欲しくなるものである。福岡では石炭産業華やかりし頃から金に糸目をつけず、美味しいお菓子が作られてきた歴史がある。金融恐慌による不景気がいまだ続く中、老舗菓子店やデパートの有名店など、それぞれが売り上げアップへ向け懸命に努力している。
最近のケーキは1個500円前後する物もあり、とても気軽に買える値段ではない。ところが先日、知人の家で出された黒糖饅頭は1個10円。筑後地方で販売されている有名な饅頭と良く似た皮の色だが、もっと小ぶりで一口で食べられる。甘党ならば10個食べても100円だ。
製造元は「一口萬寿 笑庵」(長崎県大村市)であるが、福岡市における販売方法が実に面白い。市内には数名の営業担当者がいて、人が集まる店舗に饅頭を置いてもらい、売れた金額の何パーセントかをマージンとして支払うシステムのようだ。
個人商店などに10個入りのパッケージ(120円)を並べ常温で販売している。狭いスペースしか必要としないため、饅頭を置く商店の新規設備投資費用はゼロである。値段が話題となって饅頭を求める客が増えれば、労せずして新規顧客を開拓したことになるし、商店側にとっても何か他の品が売れれば一石二鳥。よく考えられた方法だと感心した。
メディアに乗って短期間で世間に認知されても、デパートなどにおける新商品の寿命は短く、数カ月で店頭から消える物も多い。しかしこの10円饅頭、景気が良くなっても根強いファンによって求め続けられることだろう。
(J)
| コメント(0) | トラックバック(0)
■関連記事