[2009年6月16日 10:52更新]
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港に魚が水揚げされると、仲買人などによって魚市場で競りが始まる。競り落とされた魚は仲買の店頭に並べられ、これを小売業者が買う。そして鮮魚店で一般の消費者が購入する。一昔前は、これがごく当たり前のシステムだった。
ところが最近は冷凍技術が発達したために、商社が海外でマグロやエビを買い付け、魚市場を通さずにスーパーなど大口取引に直接販売する形式が横行。加えて漁師から直接買い取る飲食店も増えた。
一般家庭の魚離れが取り上げられて久しいが、こうした流通形態の変化も市場での取扱量減少に拍車をかけている。商品仲介のマージンで成り立っている魚市場は厳しい状況に追い込まれ、売り上げの確保に躍起になったのは言うまでもない。
一般の鮮魚は新鮮さが生命だけに、短時間の商行為が求められて、不正行為が入り込む隙はあまりないが、マグロなどの商品は冷凍庫での保存が可能。この特性を悪用し、伝票上だけが取引が行なわれているように見せかけるのが、本紙でも報じている「循環、架空取引」である。
最近は明太子などの加工品の原料も冷凍され、さらに一夜干しなどの塩干物も冷凍商品が増えた。それらの販売失敗で昨年暮れに「博多まるきた」(福岡市西区)が負債総額120億円で民事再生法適用の申請を行っている。
同社は、年末の需要時期を利用して大量の原料商品を計画的に購入していたとの噂が、時間が経過するに連れて流れ始め、買い付けた商品在庫などについて疑惑が生じている。
また、地元業界におけるリーダー的存在の同社は業界の役員を長年にわたって務めたこともあり、地元組合や上部団体などからの借り入れについて組合員などの間で別の疑惑も取りざたされている。
魚市場を舞台とした不正行為に対し、地元監督官庁や捜査当局はどうも、「臭い物にはふた」方式で処理を考えている気配が感じられる。だがすでに中央官庁が動き始めたとの情報もある。「一件落着」とばかりに悠長に構えていると、市関係者は後で痛烈なしっぺ返しを食うことになるだろう。
(J)
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