[2009年7月 4日 09:00更新]
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新聞社といえば、多くの方が購読料が主な収入と思っているようであるが、実際には紙面に掲載する広告料が収入のかなりの割合を占め、好景気の時はこの広告料が新聞社を潤した。そのためスポンサーに迎合するような記事が出たり、場合によっては有力な地元企業からの圧力で記事が差し止められたりすることもあったのは事実である。
かつて新聞記者は「無冠の帝王」と呼ばれた時代もあったが、今やサラリーマンと化し、嗅覚の発達した猟犬のような記者は影を潜めてしまった。
新聞社の花形とも言える社会部の事件担当記者にしても、捜査当局が家宅捜索・逮捕などしないと記事を書かない傾向が強くなった。疑惑の段階では取材すらしないことも多く、「当局が着手すればニュース」「記者会見で発表されるのを待っていればいい」と、当然のように思っている記者が多いのに驚かされる。
各社で特ダネを競った時代は終わり、最近の新聞記事は金太郎アメ同様にどれを読んでも内容が同じ。仕事柄仕方がないとはいえ、正直、全紙に目を通すのがおっくうになってきた。
若者の新聞離れが叫ばれて久しいが、現実に朝夕刊をセットで取っているのは年配者が多い。テレビニュースの拡充やインターネットの発達で、若い世代の夕刊離れはますます顕著になってきている。購読料収入は横ばい状態が続き、中には下降線をたどり始め存続が危ぶまれる社の噂も聞かれる。加えて昨年からの金融恐慌の影響で広告収入が半減した社もあるとう。
新聞社は一般企業が発表した決算は記載するが、なぜか自社の決算を記事として掲載しない。だが今年の決算は軒並み赤字との噂も聞かれ、各社経営の建て直しが議論・検討されているのが実情である。取材費をはじめとする経費削減が大きな課題になっており、社によってはかなりのリストラを計画しているとの情報もある。
各社が自主再建を進めようとしている中で最近、不況対策の一環として政府に対して何らかの支援を要請する動きがあるという。仮にこれが現実のものとなるとしたら、非常に危険な行為ではないだろうか。
名目は「補助金」だとか、いろいろと考えられる。だがいずれにしても、そのような支援=便宜供与を政府から受けたならば、例えば中央官庁における不正行為や政治家のスキャンダルなどに対する追及の筆が鈍るのは、火を見るより明らかだ。
ただでさえ記者の質が落ちているのだから、「それとこれとは別」と毅然とした態度で臨むなどということはまったく期待できない。政府や国会議員からの圧力や自己規制によって記事内容がゆがめられ、当局に迎合するような記事が増えれば、国民全体にとってマイナスなのは言うまでもない。
憲法で保障されている言論の自由が侵される可能性が高くなるわけで、まったくもって憂慮すべき事態である。
(J)
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