[2009年8月 6日 09:11更新]
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長引く不況は歓楽街にも深刻な影を落としている。那珂川の川面に映るネオンも昔の華やかな面影はなくなり、酔客の数もめっきり減っている福岡市・中洲。この厳しい時代、暴力団の排除など官民一体となって健全化を目指しているが、往年の賑わいには程遠い。
中洲もビル化が進み看板も相当数に上るようだが、最近は灯りが消えている看板の方が多いビルも目立ち始めている。空き店舗が出るとビルのそこかしこに暗がりが増え、全体の印象が悪くなりさらに客足が遠のく。そんな悪循環に陥っているところも多い。
かつては3000軒の飲食店が軒を連ね、西日本一の規模を謳っている中洲。だが近年は家賃や内装費が高騰、そのため比較的安い中央区の大名、今泉、警固などへ店舗が分散する「脱中洲現象」が起こっているのが現状である。
そんな状況の中で「なぜあそこはあんなに店が入っているのか」と関係者が感嘆の声を上げているのは中洲2丁目の「第5ラインビル」。入居率も95%内外を維持し、他と比べるまでもなく大いに健闘しているように思える。
管理しているのは不動産管理会社「エル・ビー・ラインビル」(福岡市中央区)。水商売に入った女性の多くは「中洲で一度は『ママ』と呼ばれたい」との願望が強い。この心理をうまく利用しているのがラインビルと言っていいだろう。
若干の自己資金にスポンサーからの出資。この微妙な加減を計算し、不況下においても手が届くような金額を設定しているようだ。また、風営法の改正をきっかけに店舗数も減らし、小さな店はテナントが入居しやすいようにリース物件として貸している。このため若い女性でも、夢の「ママの座」に手を掛けることができる-というわけだ。
同社は現在ビル9棟を管理しているというが、、その情報量の多さと的確な判断には驚く。女性の心理をつかみ、長年培ったノウハウを最大限に活かしていると言っていいだろう。
一世を風靡した店のママも年を取り、名店と言われた店も看板を下ろしている。その一方で次から次に新しいママが生まれており、女性のたくましさを思い知らされた男性も多いだろう。「最近の中洲にはプロを自覚している女性が減った」と嘆く声も聞かれるが、それでもここにはアルバイトを含めると、かなりのママ予備軍がいるのは間違いない。
彼女らのニーズにどう応えるかが中洲におけるビジネスの1つのカギとなっていることを、ラインビルが教えてくれている。
(J)
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