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高松組破綻の後遺症

[2009年8月21日 12:33更新]

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(09年8月号掲載)

地元建設業界で老舗名門企業として認知されていた「高松組」(福岡市中央区)。関係者に大きな衝撃を与えた同社の事業停止、自己破産申請から早くも3カ月あまりが経過した。金融機関が得意先の見直しを行ったために、デベロッパーは資金調達がさらに難しくなるなど、建設関連業のみならず地元経済界は様々な「後遺症」を引きずっている。 

現時点での連鎖倒産は3社。「電永社」(同南区)は手持ち資金で仕入先への決済を完了し回収した資金で銀行へ順次返済しているが、残り2社については経営者が債権者から追われる身となり、従業員も路頭に迷っているのが現状である。 

 

不良債権が発生した企業は、手形の買戻しや支払手形の決済、さらには新たな借り入れで資金を調達するなど苦しい経営状況が続いているとの話も耳にする。また、高松組を主力取引先にしていた企業の営業責任者は「公共工事の減少に加え民間工事の冷え込みから新規得意先の開拓は至難のわざ。工事量の確保が非常に難しい」と嘆いている。 

高松組の工事保証をしていた企業は、すでに高松組が受け取っていた契約金などのマイナスを補填しながら克服する努力を続けているが、金銭的なものよりも長年の信頼を裏切られた精神的な打撃の方がいまだに大きいようだ。

また、ある地元有力企業の子会社では億単位の不良債権が発生、連結決算で親会社にも多大な影響を与えるのは必至で、そのため子会社の代表は頭を痛めているという。 

 

今回の破綻を「反面教師」とした例もある。まったく別件で不良債権が発生し、その動向が注目されていた地元建設会社。破綻の可能性も取りざたされたが、メイン銀行が高松組破綻の影響の大きさに驚き、二の舞を防ぐべく全面的な支援体制を打ち出したという。 

 

一方、事業停止の直前まで自社を信頼していながら突然解雇されてしまった多くの社員たち。会社側の対応は早く、当面の生活補償も速やかに得られた模様で、それぞれが新たな道を模索している話も漏れ伝わってきている。 

日頃から陰日向なく働いていた社員については良くしたもので、普段から誰かが見ていたのだろう。厳しい経済環境にもかかわらず1人2人と再就職先が決まり、新しい人生を歩み始めたようである。 

 

まもなく衆院総選挙が実施される。民主党の悲願である政権交代となるのか、新たな政界再編の波が起こるのか。

いずれにしても非常に流動的な政治・社会情勢となるのは確実だが、常に前向きで努力をしていれば道は自ずと開けることを、高松組の破綻を通して知らされた。

(J)

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