ラオスは昔、100万頭の象の国と言われたくらい、たくさんの象がラオスの人々の山暮らしを支えながら共存していました。
その昔、1人の象の使いは、一生同じ1頭の象に乗ったそうです。象は神の使いで神聖な動物とされ、今でも山奥の村では象使いは尊敬されてます。それが、日本などの先進国が森林資源を乱伐採したり、また戦争が続いたせいで森林は減り、野生の象も激減したそうです。
さらに森林保護のために伐採が禁止され、象と象使いは働く場所をなく し、私が乗った象のように観光用として生きていくしかなくなってしまった。あと50年もすればラオスに象も象使いもいなくなると言われています。
私は、たとえ観光用でもラオスの象使いが1人でも多く残ってほしくなり、 彼らに「とても素晴らしい仕事だと感動してる」と伝えたく、象に揺られながら、少年の様な笑顔で、でも後姿は疲れたおじいさんみたいに見える象使いの男の子に片言の英語で色々と話しかけました。でもほとんど通じず、乗ってる象が4才のオスとだけわかりました。
ラオスは世界の最貧国に入ってます。平均寿命は50数歳でカンボジアより低く、識字率も東南アジアで最低です。でも、短い滞在でしたが貧しさなどまったく感じませんでした。
東南アジア観光地でよくつかまる、しつこい物売りも物乞いもいませんでした。旅行代理店を営んで4年間ラオスに暮らしてる日本人のガイドさんが、ラオス人同士がけんかするのを1度も見たことがないと感心していました。
人々はみなのんびり、おおらからです。レストランでも手軽な屋台でも、 お料理が出て来るまで日本の3倍以上かかるし、すべてがゆっくりです。
そして子どもが生き生きしてます。
早朝、路地裏の家の開け放しの居間で小さな女の子がおばあちゃんから髪をとかしてもらってます。表通りでは托鉢のお坊さんにお供えをする親の横に座わって、カゴを前に置き手を合わせ、お坊さんからのお菓子のおすそ分けを待ってる子どもがいます。
午後の路地裏では子どもたちが走り回って遊ぶ笑い声が響きます。彼らの普段着の生活がとても温かく見え、みな幸せそうです。
ルアンパパーンには欧米人の若いバックパッカーが沢山います。メインストリートをキャミソール、短パンにゴムサンダルと、ビーチサイドにでもいる様な解放的な格好で歩き回る若い女の子の姿は、敬虔な仏教徒で肩や足を見せないラオスの女性の服装とあまりにかけ離れていました。そんな光景に私は不快感を覚えましたが、ラオスの人々はおおらかで気を煩わず、ありのままを受け入れてる様です。
滞在中ずっと、ラオスの人々の方が私達日本人より心豊かなんじゃないかと感じました。
この国が豊かになり、より幸せに暮らしてほしいという思い。一方で、訪れた人が幸せを感じるような素朴さをなくさないためにも、このままであってほしいという思い。両方が入り混じった気持ちのまま、帰途につきました。
コメントする