[2007年4月16日 10:39更新]
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(07年4月号掲載)
「一体何を考えてるんだ」。ある関係者が吐き捨てた。「稲富を落とそうとしているとしか思えない」
3月中旬。知事選候補の稲富修二氏は、正式な出馬表明が2月下旬にずれ込んだこともあり、まだマニフェスト(公約)を発表していなかった。同月20日には候補者全員による公開討論会が予定されており、陣営の公約作成担当者はその前日、19日の発表を想定して作業を急いでいた。
ところが15日夜、選対本部長のK氏が突然「16日に公約の発表会見を開く」とマスコミ各社に連絡。問い合わせを受けた担当者は事前に何も聞かされておらず「嘘でしょ?何かの間違いでは」と慌てふためいた。
話を聞いた稲富氏本人がK氏を説得し結局、当日深夜には「会見キャンセル」を発表。しかし、16日に予定されていた横浜市の中田宏市長への表敬訪問が、K氏の独断で取り止めに。当日は複数のメディアが取材する予定だったがTVなどへの露出の機会を自ら失う結果となり、知名度の低い稲富氏にとっては大きな痛手となった。「まさに自爆行為」。冒頭の選対関係者の怒りは収まらない。
「『公約が出来ていないなら俺が作る』とまで言ってましたがね。ま、単なるパフォーマンスですよ」と話すのはある政治担当記者。「選対内部にはK氏の言うことを聞かない連中がいる。なんとか主導権を取り戻そうとしたんでしょう。そもそも、彼に公約など作れるはずもないんだし」と苦笑まじりに解説する。
実際、選対内におけるK氏の評判は極めて悪い。「選挙のプロだと自称しているが、ろくに公選法も知らない」「やたらと『アレをやれコレをやれ』と指示するが、すべて単なる思い付きで行き当たりばったり。戦略も何もあったもんじゃない」「下には威張り散らすくせに県連幹部や党本部などにはまったくの弱腰。1度指示したことでも上から言われたらすぐに撤回する」等々・・。
そもそも、なぜこのような人物が選対本部長という重要ポストについたのか。
元県議のK氏を推薦したのは県連幹部のS県議とされる。民主党県議団が候補者選定の過程で「稲富では闘えない」と“不戦敗”を主張したのは周知の事実だ。
K氏を良く知る、ある県庁関係者は「彼が選対本部長になると聞いて『ああ、民主党は勝つ気がないんだな』と思った」と打ち明ける。冒頭の関係者の発言も、あながち的外れとはいえない背景があるといえる。
実はこのK氏、福岡市長選で現市長・吉田宏氏の選対本部長を務めた人物。当時も「彼のいう通りにやったら絶対に落選する」と選対内部でささやかれていた。
吉田陣営は当初から政党色を排した選挙戦を展開したが、最終盤になっても思うように知名度が上がらない。「このままでは負ける」。しかし、戦略変更をK氏が受け入れることはなかった。結局、K氏を無視した一部の選対関係者らが党本部に直接、小沢一郎代表ら幹部の来福を要請。政党色を全面に打ち出し最後の逆転勝利につなげたのは内部では有名な話だ(K氏は御存じないかもしれないが)。
現在、K氏は新市長誕生の立役者=キングメーカーとして、副市長人事などに関与している(本紙3月号で既報)。このような人物が裏で糸を引いているとなると、福岡市役所のみなさんには「お気の毒さま」としかいいようがない。
最後に稲富選対関係者の声を紹介しよう。「もし勝っていたとしても、彼の功績では100%ありえない」
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