[2007年7月15日 13:20更新]
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(07年7月号掲載)
本紙6月号の当欄で、「九州の3悪人」と称される人物として、前農水大臣松岡利勝氏らとともに挙げた「長崎のK氏」。勘の良い読者であれば誰を指しているかはすぐにわかったと思うが、このK氏―つまり、初代防衛省大臣久間章生氏が、原爆投下をめぐる舌禍事件で大臣を辞任するという事態が起きた。
久間氏は6月30日の講演会で、アメリカの長崎への原子爆弾投下について「長崎は無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったのだ、という頭の整理で今、しょうがないなと思っている」「米国を恨む気はないが(中略)国際情勢や戦後の占領を考えると、そういうことも選択肢としては、戦争になった場合はあり得るのかな」と原爆投下の判断に理解を示すかのような発言をした。
この発言に、被爆者団体をはじめとする市民が猛反発。本人は撤回・訂正はしないとの発言を繰り返したが、参院選直前という微妙な時期だけに、公明党をはじめ与党内からも批判の声が。結局7月3日、辞任に追い込まれた。
政治家によるこの手の舌禍事件は枚挙に暇がないが、今回はさすがに呆れた。何せ、久間氏は被爆地である長崎県の出身で、東大法学部を卒業後、県議を経て国会議員となった人物。このような発言をすれば地元がどう反応するか、容易に想像できそうなものだ。
久間氏は辞任発表後の会見でも自らの主張は曲げず「九州弁でしょうがないというのが口癖で、すぐに出るんですよ」と意味不明の釈明をしている。大臣職は辞したがあくまで選挙のため。これまでの舌禍事件と同様、自らの発言を真摯に反省し考え方を改めるということは、今回も期待できそうにない。「“しょうがない“のはアンタだよ」とツッコミを入れたくなる。
ところで、久間氏が突然辞任を発表する直前の3日午前、自民党福岡県連はなぜか異様な盛り上がりを見せた。新宮松比古会長が音頭を取り、九州内の各県連と連携して「久間氏の辞任」を党本部に要求しようとしていたのだ。この動きを水面下で推し進めたのが福岡市議の実力者T氏という。
だが、多くの関係者は当日までこの動きを知らず、批判の声が上がった。「地元議員の存在感を示そうというのがミエミエ。本社の幹部人事に支店が口出しするような会社がどこにある?大臣が辞任してくれたおかげで全国に恥をさらさずにすんだよ」(県連関係者)。
会長職をめぐり国会議員と地元との間に軋轢が生じたことは前号で報じた。“しょうがない”人々は、思わぬ所にいるものだ。今後も自民県連の「暴走」には要注目といえる。
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