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大相撲八百長問題とマスコミの罪(2)

[2008年10月21日 11:08更新]

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相撲の歴史や成り立ちからして、個人的には花相撲などの方がより伝統芸能の色合いが濃く、相撲本来の姿に近いのではないかと思っている(多くの好角家が同様の考えを持っている)。また、角界は「ごっつあん」という言葉に象徴されるように良く言えば大らか、悪く言えば非常にいい加減。こうした体質が相撲を特徴付けてきたのは間違いない。

一方、マスコミにとって相撲は重要な「稼げるスポーツコンテンツ」の1つである。言い換えれば、スポーツとして売るからこそ「価値の高い商品」になる。あくまで見せ物・ショーではなくスポーツでなければならないし、クリーンであってもらわなければ困るのである。

しかし八百長問題などを取り上げると、相撲の持つ2面性に触れざるをえない。商品価値を下げることになるし、場合によっては相撲そのもの、そしてマスコミのこれまでの報道を否定してしまう事になりかねない。だから都合が悪いことは見て見ぬフリをしてきた、それが大手マスコミの姿勢ではなかったか。

目先の利益を優先するマスコミは、スポーツにふさわしくない部分を故意に見逃す一方、何か事が起きると「日本の国技」「品格」などというもっともらしい言葉を振りかざして非難してきた。それが、問題が生じても「臭い物にふた」=うやむやのままで終わらせてきた相撲協会の体質を助長した面は否定できまい。

力士に対する暴行致死事件、ロシア出身力士による大麻所持事件、そして八百長報道。相撲の商品価値を保つことばかりにとらわれ、本質的な問題を長年放置してきたツケが今、こうした事件・不祥事となって表面化している。こう断じても過言ではなかろう。

 

現在行われている八百長報道裁判に関連し、面白い記事があった。

《引き続き質問に立った講談社側の代理人は、昭和23~24年ごろの新聞記事のコピーを次々と武田(頼政:本紙注)氏に示し、記事の一部や見出しを読み上げ、武田氏に感想を求めた》

講談社側の代理人 「『あれは明らかに八百長だ』『味気ない大物の取り組み』『八百長色の極めて強い相撲』『欺瞞(ぎまん)行為』とあります」

武田氏 「昭和20年代からずっと、『このままでは相撲界はダメになる』という(現在と)同じような指摘があった。これを見て驚いたし、昔のメディアの方が健全だったなと思いました」

(08年10月3日「産経ニュース」より)

過去のこうした報道記事を知り、今のマスコミはどう思っているのだろうか。

 

さて、11年前の九州場所。人気力士・小錦の現役最後の瞬間を追うため、普段は相撲と関係ない、運動部以外の記者も現場に駆り出されることになった。

仕事名目で相撲が見られるということでほくほく顔の後輩記者。「ところで、八百長ってやっぱりあるんですかねえ」。筆者は先述の運動部記者の話を披露した。「まさか・・」。けげんな顔する後輩記者。だが、1日2日と会場に通ううちに、表情が変わっていった。「いやあ・・がっかりしました、ひどすぎる」。間近で見ていると明らかに手を抜いた取り組みが、やっぱりわかるのだという。

相撲を生で見るのは初めての記者にしてこうなのだ。相撲担当の記者が分からないはずがない。

 

数々の不祥事・事件を受け、相撲界の改革の必要性が声高に叫ばれている。だが筆者は、一度すべてをぶち壊してゼロから再出発するくらいのつもりがなければ、難しいのではないかと考えている。問題の根は深く、長年に渡って放置されてきたのだ。外部から識者を招くとか理事長の首をすげ替えるとか、そんな程度で改善されるはずがない。

さらに、角界の腐敗を助長してきた大手新聞社などマスコミからは、自省の声はついぞ聞かれない。その自覚があるとも思えない。道程はあまりに遠いと言わざるをえない。

そもそも改革する必要があるのか、とも思う。指摘される数々の問題とそれをめぐる一連の騒動は、日本の姿を実に的確に切り取って見せてくれる。相撲が日本の国技だとするならば、今の相撲界こそまさに国技にふさわしい、日本の象徴と言えるのではないか。

こんなふうに書いてしまうと、お叱りを受けるかもしれないが。

 

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