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夕刊チキンレース 新聞社の内情と危機感

[2009年1月15日 12:49更新]

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(08年12月号掲載)

福岡市などの都市圏に住む人のほとんどは、新聞が夕刊を発行しているのはごく当然と思っていることだろう。だから他の地域でも夕刊を読めるはず─こう勘違いしている方は意外に多い。実際には全国でも大都市圏や一部の県庁所在地などだけで、夕刊が発行されていない県は結構ある。 

今月、南日本新聞(鹿児島市)が来年2月で夕刊(約2万3000部)を廃止することを明らかにした。今年に入って全国紙の毎日新聞が北海道内で8月に、また秋田魁新報が9月で夕刊を廃止。南日本新聞は鹿児島県内で夕刊を発行する唯一の新聞社だが、廃止の決断は全国的な流れに沿ったものと言えるだろう。 

だがこの流れは最近始まったものではない。「夕刊を切れたら、ずいぶん楽になる」。筆者が記者生活を始めた約20年前から、業界内ではずっと「夕刊廃止論」がくすぶっていた。 

当時、南日本新聞の朝刊発行部数は約40万部。これと比較すれば夕刊の部数など微々たるもので、しかもほぼ鹿児島市内だけ。印刷し配送する費用を考えれば割に合わない。「だが県内で夕刊を出しているのはうちだけ、そう簡単に止めるわけにはいかない」。こんな言葉を同社関係者から聞いたが、どの新聞社も事情は同じだったろう。

以前は朝刊と朝刊とをつなぐ役割を担った夕刊。だが最近はカラー写真を大きく使った、街の話題やスポーツなどのいわゆる「ナンパ物」が幅を利かせている。「いかに読者に読んでいただくか」と考えた結果だろう。あるマスコミ記者は「こうした紙面構成はまさに時代の変化。新聞受難の時代を象徴してますよ」と話す。 

読者の新聞離れに歯止めがかからない中で、特に夕刊のジリ貧ぶりは著しい。その最大の理由は速報性に優れたテレビニュースとインターネットの普及にあることは明らかだ。 

「いずれ夕刊を廃止する全国紙が出る。その筆頭候補は毎日新聞。そうなると各社雪崩を打って追随する」。こう囁かれたのは10年以上も前のこと。今の各社の動きを例えると、夕刊廃止をめぐるチキンレースでついにブレーキを踏む者が出てきた─といったところか。 

本紙はかつて地デジ放送に関連し「地方の民放の経営が危機に瀕している」と書いた。だが「民放なんかまだいいですよ。新聞は本当にやばい、夕刊廃止だけではすまないでしょう」(前出記者)。 

新聞を作り、広告を載せて売るだけでは生き残れない。そこで各社ともネットを使った新しい手法を模索しているがなかなか厳しいようだ。「いずれ破綻する社が出ます」(同)という話もあながち絵空事とは言い切れない。

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