[2009年2月 5日 11:12更新]
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現在「チェ・ゲバラ」の映画が2本上映されている。「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」。死後40年以上過ぎた今でも世界中で愛される革命家。ベレー帽にひげ面のイラストをTシャツの柄などで知っている若者は多いと思う。なぜ今ゲバラなのか-興味を持って映画を見た。
(以下、映画の内容について記述しています。未見の方はご注意下さい)
「28歳・・」はフィデル・カストロらとともにキューバ革命を達成した過程、「39歳・・」は革命後にカストロと決別しボリビアで新たなる革命を目指したものの失敗、米CIAが主導するボリビア軍に処刑されるまでが描かれている。
いわゆる通常の「映画の楽しみ」を期待した人には物足りないだろう。背景の説明はほとんどなし。ゲバラの人物像に迫った-とも言い難い。戦闘シーンやジャングルをはいずり回る光景が淡々と描かれているが、それも大がかりなアクションシーン(時にはCGを使った)に慣れたわれわれにとっては地味に写る。
全体的に、むしろドキュメンタリーに近い。現実は、映画のように劇的でもなければ都合良く展開してくれるわけでもない。ゲリラ戦の現実を過度な演出や説明なしで撮る-これが制作側の意図なのだろう。だが中南米、ヨーロッパと違い「ゲバラの顔は知っていても何をしたのかはよく知らない」という人が圧倒的に多いと思われる日本ではやや不親切な印象だった。
個人的には、歴史的な流れや革命にまつわるエピソードを知っていたので、実におもしろく、映画を楽しむことができたが。
中南米諸国の多くは、現在もなお貧富の格差を内包している。一方でアメリカの庇護の元で経済大国として歩んできた日本でも、派遣切りの問題など格差が大きく取り上げられるようになっている。小林多喜二の「蟹工船」がベストセラーになったというニュースも、昨年話題となった。
そんな時代を反映しているのだろうか、こうした類の映画にしては驚くほど、大々的に宣伝されている印象を受ける。先月、KBCの「ドォーモ」でこの映画を特集していたのにはさすがに驚いた。「ゲバラ人気」と言ってしまえばそれまでだが、正直、若干の違和感を覚える。
もちろん、こうした宣伝をきっかけに多くの人、特に若者に「何となくカッコイイ」以上のものを感じてもらえるならば、それはそれでいいことなのだろう。20世紀の半ば、自らの信念を貫き、それに殉じた革命家に興味がある方は、事前に彼に関する著作をいくらかでも読んでおくと、より理解が深まるはずである。
また、ソダーバーグ監督がこの「映画の序章」として位置付けている、ゲバラの青春時代を描いた映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」 もぜひご覧になっていただきたい。
なお、今年はキューバ革命から50年に当たる。アメリカの目と鼻の先に対峙し、経済封鎖を受けながら現在も事実上「カストロ体制」が続くカリブ海の島国。最近ではその農業政策や医療政策などが注目され、様々なマスメディアが取り上げている。
NHKでも「キューバ 50年の現実」と題するドキュメンタリーが2月8日(日)夜10時から放送される。「現在の日本に必要な何かが見付かるかもしれない」と期待して見るつもりである。
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