[2009年12月25日 14:54更新]
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(09年12月号掲載)
米メジャーリーグで今年のア・リーグMVPに選ばれたジョー・マウアー選手に対し、唯一1位票を投じなかったのは日本人記者─こんな記事が11月末、西日本スポーツに掲載された。
MVP(最優秀選手)を決めるのは一定の条件を満たした野球担当記者である。各記者が複数の選手に1位、2位と順位を付けていき、各順位に応じた点数を合計して最も高かった者がMVPに選ばれる。
マウアー選手はイチロー選手を抑えて首位打者になるなど好成績を残していたMVPの大本命。実際、選考に参加した記者のほとんどが1位に挙げた。ところがただ1人、2位にした記者がいたために満票での選出を逃した。それが、かつて本欄でも取り上げたことがある小西慶三記者(フリー)だったというのだ。
西スポの記事中では小西記者の判断に好意的な米記者のコメントを紹介していたが、その後、同記者の投票行動を批判する同業者やファンの声がネット上で散見されるようになった。
理由の1つは小西記者がイチロー選手と親しいこと。そのため、イチロー選手からタイトルを奪ったマウアー選手に1位票を入れなかったのではないか、と勘繰る声が上がっている。
2つ目は選考の理由についていまだに明らかにしていないこと。ある記者が別の選手を1位にした理由が知りたくて同記者にEメールを送ったが、返事がなかったという。
さらに、同記者が1位にした選手に対する他の評価が低いこと。この選手はシーズン最終盤、夫人に暴力を振るうなどのトラブルが判明し、チームが優勝を逃した「戦犯」としてファンから非難を浴びているという。
筆者はかつて小西記者と同じ会社に在籍していたことがある。同期入社で、運動と編集と所属部署は違ったものの馬が合った。記者としても優秀で数年前、イチロー選手に取材できる数少ない記者の1人だという話を聞いた時は、さもありなんと納得したものだ。
彼であれば、他の多くの記者がマウアー選手に投票することは当然予想していただろうし、あえてそれと違う判断をする以上、何らかの理由があるはずだ。自ら情報を発信すれば疑念や批判を払拭できると思うのだが。
それにしても一日本人記者が、アメリカのような国で他者と違う考えを表現し内外で波紋を呼ぶなど、少し前なら考えられない。横並び、無難が社是としか思えない日本のマスコミに飽き飽きしているだけに、とても痛快なニュースだった。
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