[2010年3月12日 12:42更新]
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(10年2月号掲載)
日本相撲協会の理事選挙で、事前の予想を覆し貴乃花親方が当選した─そんなニュースが新聞各社の朝刊を飾った2月2日、かねてから接待疑惑が取りざたされていた中島孝之前副知事が、ついに収賄容疑で逮捕された。
相撲協会、そして福岡県政をめぐるニュースを見比べると、双方が抱える問題点や対応ぶりが実によく似ていると思えてならない。
ここ数年、八百長疑惑や大麻事件などで揺れ続けてきた相撲協会。これに業を煮やした一部の「反体制派」が平成の大横綱、貴乃花親方を担ぎ出した。そのため伝統である一門制が崩壊の危機に瀕した─これまでのマスコミ報道は概してこういったトーンである。だがどうも納得がいかない。
驚いたのは理事選のシステム。表向きは無記名投票だが、実際には立ち会い人がチェックできるような状態で行われていたのだという。事前に調整して票を各候補に振り分け当選者を決めた上、裏切り者が出ないようにしていたわけだ。
こんなものは選挙でも何でもなくただの談合である。世論の批判もあって今回は方法を変え、完全な無記名投票が実現、これが貴乃花親方当選の大きな要因になったとの見方がもっぱらだ。
大相撲をめぐる問題の根本には、理事長をトップとする理事会という「利権集団」の存在があることは明白だ。責任の所在が曖昧で危機感も自浄能力もない。一門制も、かっては良好に機能していたのかもしれないが、今では利権構造を温存するシステムに成り下がっている。選挙という名の談合はその象徴だ。
貴乃花親方が今後、自らが望むような改革を進めていくには相当な苦労と時間を要するだろう。だが少なくとも、彼が意を決して立候補しなければ理事選も無投票となりこうした問題が表面化することもなかったはずで、それだけでも立ち上がった意味がある。
さて、わが福岡県政。中島前副知事、そして県町村会長の山本文男添田町長の逮捕で、県政の舞台裏が次々と明らかになりつつある。こうした腐敗の根本的な原因は何か。麻生渡知事を頂点とする現体制にあるのは明らかではないか。前副知事ら2人が摘発され、悪者になっただけで事態が収まってしまえば、「病巣」は残ったままである。
相撲協会は朝青龍関を引退に追い込むことで一連の騒動を収めようとした。早々に辞任した中島前副知事が朝青龍関と重なって見えるのは筆者だけではないはずだ。 県政にも「貴乃花親方」が現れてほしいが・・。
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