[2011年8月 3日 11:50更新]
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(11年7月号掲載)
千葉の方に転学、編入した福島の子どもたちが、現地の子どもらから「放射能がうつる」といじめを受けていることが問題になっていた。不条理なことが起こるものである。
最近は心身に障がいを持つ人たちに対して、温かい気持ちで親切に接する人も確かに増えた。その反面、依然として無知や無理解、偏見が存在することも、また事実である。
現場での医療ソーシャルワーカー(医療機関での専任相談員)職を離れて久しい私だが、それでも様々な相談が持ち込まれてくる。気になるのはその相談の中身。弱い立場にある子どもたちに対する教育関係者の無理解が昔とほとんど変わらず、いまだに残っている現実を思い知らされる。
2年ほど前、「知的障害を抱えて普通学校に通うA君が教師から暴力を受けているが、学校側と上手く話し合いができない」との相談が持ち込まれた。調べてみると、同級生から「体育系教師がA君を叩くところを見た」との証言があった。
学校側は本人の落ち着きのなさや他の生徒に迷惑を掛けていることを指摘、「当日は本人が暴れてケガをする心配が生じたので、本人の安全を守るために保護行動を取った。助けたんだ」との説明が繰り返された。この「助けた」という言葉は昔も今も、このような事案・場面でよく耳にする。
知人を通じて最近、Bさんから相談が舞い込んできた。息子さんが以前事故にあい、後遺症で今も情緒的に不安定な状態なのだが、普段の生活においては他人に迷惑をかけることなどない。それなのに、Bさん宅の前を通学路とする小学校の保護者家族から「通学時に不安だ」として学校側にクレームがあったという。
Bさんには学校側からは何の連絡もなかったが、「学校の意向を受けた役場から通学時に立ち番をするよう依頼がきた」と、友人の民生委員から聞かされた。Bさんは「うちの子も1人の人間。ひどい人権侵害であり、差別だ。学校は一方の意見だけを取り上げており、こんな対応は理解できない」
かつて私が出会ってきた無理解や偏見とまったく同じ。傷病・障がいへの正しい知識を持てば、こんな行き違いは起こらないはず。まずはBさん家族の状況を知ってもらうよう、学校側と話をするよう勧めた。
障がいのある子が普通学校(学級)への入学を希望すると「それではあなたのお子さんは苦労します。特別支援学校(級)の方が良いですよ。設備も整っていますし教師も慣れているので」。普通学校へ通わせたいと願う親の気持ちをねじ伏せるこのような言葉が、今でもわりと安易にぶつけられているようだ。
時代は確実に変わりつつあり、だから、以前と比べて少なくなっていると信じたいのだが、進学の話が出る頃になるとこうした〝軋み音〟が必ず私の耳に届いてくる。ハンディを持つ人達への「心のバリアフリー」を教えるはずの教育現場に、こうした不条理や無理解があってはならない。
「自分と違いがある人」について知ることの必要性と重要性を、まずは教育関係者自身が感じ、理解を深めていただきたいものである。
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