福岡市東区・傾斜マンション ② [2020年4月1日06:00更新]

時効の壁

JR九州が主となり販売した「傾斜」マンションの基礎工事は平成6年、既に25年以上が経過しており、裁判で訴えても施工から20年という期間が過ぎており、時効が成立しているため責任は問えないという意見もある。

しかし、平成7年の入居当初よりドアの開閉がしにくいことから主要構造部の欠陥を問うてきた住民に対し、JR九州側はクラックの補修やドアの交換(5戸)等で対処はしたものの、同10年に「主要構造部には問題がない」という旨の確約書を住民側に提出した。

当時は引き渡しから3年、瑕疵担保責任を問うことができたはずだが、住民側はJR九州の名前がある確約書を受け取ったことで、法的措置を取るなどの手段を取らなかった。

今回の調査で、仮に杭が支持層に到達していないことが証明されれば、JR九州側がこれまで住民側にしてきた説明が、根底から崩れることになる。(③へ続く)