逆線引き、事実上の撤回に [2022年2月6日07:31更新]

北九州市の「逆線引き」が事実上撤回されることになった。

これまでの経過については弊社記事 「スジ悪の逆線引き ~北九州市都市計画~」をご一読頂きたいが、予想した通りの 「落としどころ」に収まった。

一昨年来、八幡東区を皮切りに住民説明会が続けられてきたが、憲法問題を含め問題が多かっただけに市民から想像以上の批判が集まり、修正せざるを得ない状況に追い込まれた格好だ。

当初計画では下図の通りだったが、八幡東区について 当初予定面積 約292haから 70%を除外し、建物棟数 約5400棟のうち 5%にとどめるとしている。
他の6区についても同様に 大幅に縮小する予定という。

都市計画マスタープランに則って進めてきた目玉政策の転換は異例、北橋市長・今永副市長にとっては苦渋の決断だったろう。



 

以下、参考までに、弊社の過去記事(昨年12月10日付)の一部を 再掲する。

騒動の落としどころ

北九州市は、逆線引きの都市計画決定を令和5年度に公告するとしている。

しかし、市民から反対の声が大きくなる中、国交省の確固たる後ろ盾も 憲法問題をクリアする保証もないことが 判ってきた。
「逆線引きは現実的ではない」というのが 国の本音、北九州市の 3万5200人を対象とした壮大な実験を遠くで眺めているだけ、責任を負うつもりはない。

こうした状況で、市が 逆線引きを強行する賭けに出るだろうか。
対象者の中から 裁判に訴える市民は少なくないはずで、裁判で負ける可能性が1%でもあるなら 強行は難しいと思われる。

行政が一度打ち出した政策を中止もしくは修正することは なかなかできないが、本件に関しては 早急に「落としどころ」を見つける必要が出て来るだろう。
最終的には、「車が上がる道路がない家」、「土砂災害のレッドゾーン」、「空き家が多数」など条件を厳しくして、地域の全世帯の了解が得られる場所に絞り、世帯数一桁でも「市が逆線引きをやりました」という実績を作って良しとするしかないのでは。

問題は、財産価値への影響が出ている現状をどうするかだ。
市には早めに方針転換を打ち出し、影響を最小限にとどめる努力が求められるが、北橋市長と今永副市長の決断に注目したい。