予算や人事の権限が集中する首長が長期間在任すると、政策や人事が硬直し 役所内は忖度が横行、また利権絡みで汚職の温床になるという指摘もあり、多選禁止(3選まで)条例を制定する首長もいる。
しかし、多選批判で初当選しながら4期も居座り、5期目をうかがうっている北九州市の某市長のように、一度当選すると公約を翻す首長も少なくない。
3期で12年、4期で16年、これでも随分長いと思われるが、現在6期目、任期を全うすれば 何と24年というスーパー市長が 福岡都市圏にいる。
1999年(平成11年)4月、春日市長として初当選を果たした井上澄和氏(71)だ。
その 8ヵ月後の12月、健康上の理由で引退するエリツィン大統領から 大統領代行に指名されたのがプーチン大統領(70)なので、いかに長いかお分かりだろう。
ある出版社が行った「住みよい街ランキング2021」で、福岡県内1位(全国11位)に選ばれたのが春日市だ。
福岡市に隣接し、西鉄やJR鹿児島線 及び博多南線(新幹線)の鉄道が走り、大型商業施設や救急病院、都市公園が近くて便利、警察署もあって治安も良い。
更には 子育て支援や教育などソフト面も充実しているところが高評価の要因だ。これらのまちづくりの成功は、ひとえに井上市長の手腕によるものと言って良いだろう。
一方で、これまで意に添わぬ市職員を冷遇したり、議会の場で市議を執拗に攻撃したりという一面も知られていたが、長期政権に加え 年齢による弊害が 市役所内で囁かれ始めたという。
また、選挙前のビラ配りなどの政治活動に動員させられているという複数の業者からSOSも聞かれ、後援体制に綻びが出てきた様だ。
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