利益約2億円、公有地が市議の手に (2) [2026年6月22日07:00更新]

■ 合格ラインをわずか8点上回った落札

条件を大幅に緩和、但し、それだけでは坂平市議の手に渡ることはなかった。
審査の過程で、市側が主導して意図的な「点数の不正操作」を行った証拠がある。
4回目の公募では、満点560点のうち6割にあたる336点以上を獲得した応募者を一次審査通過者とするとされていた。
審査の結果、坂平の得点は344点。合格ラインをわずか8点上回っての通過だった。

 

■ 「過去10年以内」の実績がない企画提案書

問題は、審査基準の「事業実績」の項目にある。
基準には「過去10年間において提案内容と同種・同規模の実績はあるか」とあった。
これに対し、坂平市議が提出した企画提案書の実績欄はこう書かれていた。
「平成8年に飯塚市小正の土地を取得後、平成10年に同地に6階建てのマンションを新築し、市内の事業者に売却しました。同様に飯塚の4階建てマンション、新飯塚の5階建てのマンションを売却した実績があります」

市の実施要領には、「過去10年間の類似実績をすべて記載してください。事業の実施年度についても記載してください」と厳格に明記されていた。
企画提案書では計3棟のマンションを売却したとあるが、1棟目は「平成10年(1998年)」のこと——公募時点から数えて、実に25年前だ。
残り2棟については実施年度の記載がなく、「10年以内」ということが確認できない。
坂平市議の提案書は、この基本ルールを守っていない。

 

■ 事務局が仕掛けた採点誘導

そこで市の事務局は動いた。
実績に関する採点基準は、10点満点で5段階に分かれており、「過去10年以内に同種・同規模の実績はないが、同種類の実績がある場合」は4点、「ない場合」は2点となっていた。
7月7日の一次審査が始まる前、事務局は選定委員に対してこんな採点案をわざわざ送付している。
「(応募者の坂平市議は)同種・同規模の実績はないが、同種類の実績があることから、事務局評点を4点とする」。

 



 

それだけではない。
本来の一次審査項目の審査内容における事業実績の欄には、「過去10年間(平成25年度以降)において、提案内容と同種類・同規模以上の実績を有しているか。」と書かれていた。
ところが、選定委員に送付した文書では、「過去10年間(平成25年度以降)において、」という文言を削除して「提案内容と同種・同規模の実績を有しているか」のみの表示にしていた。
これでは選定委員は、坂平市議が10年以内に実績がないことを知りようもなく、事務局評点の4点が妥当と考えてしまうだろう。

 

■ 14点の「下駄」――本来は不合格だった

本来、10年以内の実績がなければ「2点」のはずだ。
しかし、採点結果を見ると、評価者7人が全員、この事務局案に倣って「4点」を付けていた。
評価者1人あたり2点が根拠なく加算され、7人合計で14点もの「下駄」が坂平に履かせられたことになる。
この14点を坂平の合計点から引くと、得点は330点。
合格ラインの336点を下回り、正確に採点されていれば不合格である。

数字は嘘をつかない。
事務局の関与がなければ、坂平市議は不合格だった。

 

― 続 く ―