ふくおか会館建て替え着工~丁寧な説明が必要なのでは?

当事者間であれば詳しい説明も不要だが、第三者との間では説明が不足すれば齟齬が生じ、誤解を招きかねないころもいろいろ出てくる。

昨年後半から建て替えを巡っていろいろ話題が集中していた、東京千代田区麹町、皇居お濠端近くにある福岡県の拠点、ふくおか会館について、東京在住の福岡っ子さんから投書をいただいた。

投書によれば、
「ふくおか会館の建て替えと、70年の定期借地権付きでの建物管理までを、WSNグループ(渡辺地所・住友不動産・西日本新聞社)が落札したが、筆頭構成員である渡辺地所の実績が資格を満たしていなかったため、契約が保留になっていたはず。
先日たまたま近くを通ったら、解体工事がほぼ終わりに近づいている。
おまけに工事のお知らせ標識には、渡辺地所の名前が無く、住友不動産だけが銘記されている。
ひょっとして渡辺地所は失格となったから、住友不動産が単独で福岡県からすべてを請け負うことになったのだろううか。
福岡県のホームページにはことの経緯がまったく記載されていない。
どういうことなのですか?」
という疑問だ。

福岡県の財産活用課担当者の説明によれば、
「建物が完成した後に管理を担う住友不動産を、「お知らせ標識」では便宜上建築主名として出しましたが、同社だけに工事を発注ではありません。
渡辺地所、住友不動産、西日本新聞社の3社で組織したWSNグループとの契約です。
また渡辺地所は“渡辺通り”の語源ともなった渡辺一族であり、福岡の名門企業です。
したがいまして、福岡県の裁量で問題なしと判断しました」
とのコメント。

おそらく、一番最後の点で、昨年末のような騒動が再度起こりかねないとして、ホームページ等には掲載しなかったのだろう。

だが、豊洲の盛り土がいつの間にか地下空間となり、基準値以上の残留汚染土が問題化してくると、ことの大小は違えども、何のための入札だったのか、初めに渡辺地所ありきだったのではないのかなどと、ゲスの勘繰りで火の気が立たないことを祈るのみだ。


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ふくおか会館4

福岡県が東京都に所有し、福岡県東京事務所が入居している、ふくおか会館の建て替え計画で、優先交渉権者に選ばれたWSNグループを見ると、それぞれの構成メンバー優秀な企業だが、応募資格満たしていないことをこれまで述べて来た。
だがここでもう一度、計画を見直せば、はるかに素晴らしい計画が実現できるような話が伝わってきた。
ふくおか会館の隣接地である㈱東條会館と、東京メトロポリタンテレビジョン㈱の敷地を一体化して再開発すれば、より一層素晴らしい計画が具体化出来るのだ。
当初この計画は、書類提出期限までに条件面で折り合わず、計画に入れ込むことが出来なかったのだが、資格を満たしていないメンバー入れ替え、計画を再検討すればできるはず。
ふくおか会館の東南側にある皇居前広場や日比谷公園は、標高が2mほどでしかないが、西側の半蔵門側は標高が29mもあるため、土地の高低差を生かして、新たな建物にヘリーポートを設置すれば、災害時の防災拠点に活用出来るなど、あらゆる面から活用を想定した、関連する提案資料が既に福岡県総務部財産活用課には届いているという。
この計画には隣接地の所有者も非常に乗り気で、福岡県との話し合いも十分に可能と、既にある程度の了解を取り付けてあるようだ。
選定委員会の選定ミスを、福に転じるような柔軟な考えで、再検討するのもいいのではないだろうか。


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ふくおか会館・3

福岡県が東京に所有している、「ふくおか会館」の建て替えが決まり、優先交渉権者に決定したWSNグループの代表企業、渡辺地所㈱(福岡市中央区天神1-12-14 代表者渡邉浩志氏)に、急きょ注目が集まっている。
同社は福岡でも有数の資産家一族で、「渡辺通り」の語源にもなっている、渡辺家が経営する企業グループの1つ。
渡辺家は多くの資産を所有しているところから、家訓として「援助も受けないが援助もしない」という、独立独歩の精神を受け継いでいるが、この家訓に相反するような今回の応募は、構成員である住友不動産㈱の影響が大きい様だ。
渡辺家の中核企業である紙与産業のグループ企業、渡辺地所が大博通り沿いで所有していた土地に、テナントビルを建設したことが今回の応募資格条件、(つまり10年以内に1万㎡以上の建物を開発した実績を持つ)に挙げられており、確かに同ビルの延床面積は1万0545.42㎡で、応募資格条件は満たしている。
しかし同ビルは、明治安田生命保険相互会社との共同開発で、渡辺地所の所有権シェアは45.7%、4819.25㎡でしかなく、資格要件を満たしていないため失格するのでは、との声が応募した参加企業の中から聞こえてきた。
役所が選定する委員会は、学識経験者や県職員で構成されており、公平を期するため氏名などは非公開で、仮に氏名が判明しても接触を禁じている。
だが大半の企業は事前に水面下で、何らかの交渉を既に行っているとも聞かれ、今後は役所がどの様な判断と解決をするのか、関係者は注目している。


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ふくおか会館・2

 福岡県が皇居近くに所有している「ふくおか会館」は、建物老朽化で建て替えが計画され、「ふくおか会館敷地有効活用事業」と命名され、担当部署によって準備が進められた。
民間企画による資金計画での公募が決まり、単独で計画し応募した企業もあれば、数社でSPCを設立して応募するグループもあり、計画立案から提案書作成に至るまで、企画コンサルタントや設計事務所などと組んだプロジェクトで、費用は数千万円を超える。
提示された資格条件をクリアした事業者は8グループだったが、選定委員会が審査して3グループに絞り込み、さらにその中から優先交渉権者を選定する方法がとられた。
これにより決定した優先交渉権者はWSNグループで、代表企業は渡辺地所㈱、また構成員は住友不動産㈱と㈱西日本新聞社の3社。
これら3社は福博財界においても知名度の高い企業で、選定委員会も提出された資料を無条件で信頼し、精査せずに審査した結果、問題なしとして推薦したようだ。
ところがグループのメンバーが勘違いしていたのか、それとも深く考えなかったのかは不明だが、過去の開発実績という項目で、条件をクリアしていないことが明らかになり、問題化し始めている。
たとえ悪意はなくても、資格を満たしていない応募者を、選定委員会が選んだというミスは問題で、福岡県の担当者がどのような判断を下すのか、関係者は注目している。


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ふくおか会館?

 東京都千代田区に、福岡県が所有する「ふくおか会館」は、皇居半蔵門近くで御堀端に面した一等地、地下1階地上4階建で、一部を福岡県東京事務所として使う傍ら、立地条件の良さからホテルとしも営業しており、福岡県民にとっては馴染みの場所でもある。

しかし老朽化で建替えを要望する利用者の声もあり、福岡県は民間企業の資金やノウハウを利用する案を採用、ふくおか会館敷地有効活用事業として、事業計画を一般から募集する公募要項が、平成26年11月28日に配布された。

役所が公募を行う場合は、選定委員会を設置することが今では常識となっており、また委員も学識経験者と県職員によって、構成されるのが現在は一般的になっているが、ここまでは良い。
そして選定委員に対し、事業の審査に影響を及ばすような接触は、厳しく禁止されているのは当然で、審査委員の名は公表されないのが建前である。
ところが今回のように、優先交渉権者が発表されたのは良いが、公平であるべき審査や選定の過程において、何らかの不正が行われたのでは、との噂が漏れ聞こえてきた。
福岡市の公共工事などについては、市の幹部職員との飲食供応など、とかくの噂は絶えないが、福岡県に関しては知事の日頃の言動を見習って、職員のモラルが高いのか、皆目と言ってよいほど、これまでは聞かれなかった。
それが今回に限って噂が流れてくるとは、一体何故なのだろう。


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