博多の味

今や日本国内で、人口においては5番目の都市に成長した福岡市は恵まれた新鮮な食材が豊富な為に、安くて美味しい料理を提供してくれる有名な老舗も営業を続けており、福岡市民の満足度は高いと思われる。
ところが数年前より経営者の高齢化と、後継者不足から暖簾は変わらないが、中華料理の「八仙閣」や、うどんの「因幡うどん」、高級寿司の「河庄」や「やま中」、更にフランス料理の「メゾンド吉田」などは、店の屋号や暖簾は同じで変わらないが、経営者が変わる店が出て来た。
有名な店ほど独自の味と暖簾の重みが加わり、その味を受け継ぐ事は非常に難しく、今後は継承される老舗の重圧に耐えられず、伝統の味を放棄する後継者が増え、飲食店のM&Aが増加し、少しずつ「博多の味」が消えていく可能性が高いだろう。



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クレーマーHの楽しい食レポ ~ 博多駅「くうてん」・その2

『博多駅ビルの中に、食堂街がいっぱいあるらしいけど、どこの店がおススメ?』

前回は、①家族で食する「四川飯店博多」と ②一人で食べる、ハカタステーション オイスターバー、の場合をご紹介したが、いかがだっただろうか。

さて、今回はさらに異なる、利用シーンでいってみよう。
なお、前の回でもお断りしたように、食には高い嗜好性がある。
だから、本稿とは印象が違ったなどというご意見は一切無用。
また、味が分からぬ食音痴など相手にしないので、念のため(笑)。

 

③ 従業員や部下を連れるには?

これは、【もつなべ笑楽】。
油ギッシュなメニューが並び、そう多くは食せないから必然的に支払いも楽。しかも満足度は高い。環境的に会話の声を張る必要があるが、費用対効果が非常に高い。元祖・本家・本尊・本元など、ルーツアピールに余念のない様々な同業店舗がひしめくのがもつ鍋やラーメン店であるが、もつ鍋ならばここ以上の美味の店は見当たらない。


 

④ 接待で使うには?

議論の余地が無く、【日本料理 加賀屋】に限る。
金沢を代表する旅館の経営する和食店。煮物・焼き物・生もの・飯物それぞれのバランスが良く、起承転結というストーリー性に基づく味と見た目である。
やま中を推す声も多いと思うが、やま中ならば駅東筑紫口のサンローゼ店城戸店長が良い。


前回記事はこちらから。クレーマーHの楽しい食レポ~博多駅「くうてん」・その1

 

福岡の有名鮨店~身売?

 福岡市は博多湾に面して姪浜や伊崎などの漁師町があり、その先は魚種が豊富な玄界灘に繋がり、昔から新鮮な魚介類に恵まれ、料理方法も発達して有名店も育ってきた。
「ロイヤル花の木」出身で、オーナーシェフのY氏は春吉から桜坂に店を移し一世を風靡したが、拡大策が裏目に出たようで、いつの間にか東京から進出してきた、結婚式場の料理監修に名前が連なっていたため、なぜと思っていたら、店を売却し自己破産していたのが判明した。
その後免責が決定し新しいスポンサーが見つかったのか、中央区春吉で再び、「メゾンドヨシダ・春吉」を開店、まだまだお盛んに人生を謳歌されているようだ。
洋と和の違いはあるが、福岡の有名鮨店が今注目を集めている。オーナーは有名老舗鮨店の出身で、博多駅近くの店舗で評判を呼び、大手ゼネコンに発注して渡辺通りに自前のビルを建て、「鮨と日本料理のやま中」へと進化させた。
「やま中」は、JR九州自慢の「ななつ星in九州」がテレビで放映される度に、和食を提供する高級老舗店として取り上げられ、全国にその名を知られるようになり、これで福岡を代表する料理店として確固たる地盤を築いたかにも見えた。
しかし現在地の店舗を新築した時から、資金調達にいろいろな噂が付きまとい、不動産に不明朗な担保が設定されて話題になったこともある。
こうした噂が影響したのかどうかは不明だが、JR九州が今年の初めに「やま中」を買収したとの情報が流れ、従業員や屋号はそのままだが、既に経営の実態は山中拓男氏からJR九州に移ったと言われている。 続きを読む