太陽光で人生狂う・テクノシステム

最近は、太陽光発電事業や 電力小売事業で 一時は成功を収めるも転落したというニュースが続いている。要因は様々だが、比較的若い経営者が多い。

東京地検に詐欺容疑で逮捕された  ㈱テクノシステムの代表者、生田尚之氏(47)も、太陽光発電事業に手を出して 人生が狂った様だ。

尚之氏の父親は、発電所や産業プラントのコンサル会社を経営した後、ものづくりの原点に立ち返りたいとして会社を売却し新会社を設立、厨房のフードサーバー等の装置を開発するなど、世界各国で50近くの特許を取得した仕事人だったという。

その父の熱意と技術を継承し 尚之氏は2009年に独立創業、当初は河川や海水の淡水化装置の開発販売を主に地道にスタート、2010年の1期目の決算では2億932万円を売り上げた。
またフードサーバーがメディアで紹介されるなどして知名度を上げ、2013年の4期目には 11億2747万円と着実に伸ばしていった。

その頃から太陽光発電事業に参入、動く金額の大きさが 感覚を麻痺させていったのではなかろうか。
2015年の6期目の決算では104億1514万円とあっさりと100億を突破、10期目となる2019年には年商約161億3900万円を計上するまで急成長を遂げた。

株式上場も目前で発覚した今回の粉飾事件、同社は間もなく東京地裁へ民事再生法の適用を申請する予定で 負債総額は150億円と言われている。

父親が築き上げたものまで一瞬で壊してしまった尚之容疑者、太陽光発電事業にさえ手を出さなければ 人生踏み間違えることはなかっただろうが、悔やんでも悔やみきれないだろう。