昔ながらの詐欺の手口・パクリ屋

昭和に流行った歌謡曲に、小林旭さんの「昔の名前で出ています」というヒット曲があったが、詐欺の世界でも昔ながらの手口が出てきている。

警視庁は、食品会社から海産物や牛肉を詐取したとして、武藤勝容疑者(81)ら男4人を詐欺容疑で逮捕した。
武藤容疑者は、平成29年に設立した実態のない食品販売会社を利用し、偽名を使い営業部長の肩書で活動、まず少額から取り引きを始め 信用を得るため代金を支払い、取り引きを繰り返し信用が得られたところで、大口の発注を行い 商品到着後に破産通知書を送り騙し取る「パクリ」の手口で、23社から約8000万円相当を詐取した。

コロナ禍で需要が減る中、売上を少しでも上げたい経営者の弱みに付けこむ卑劣な犯罪だが、騙された者の多くは 年老いた先代たちの経験を軽視する若手経営者、中には騙されたことに気づかないケースもある様だ。

今年は新年早々からオミクロン株が拡大しており 食品業界の不振が長期化する可能性もあり、素人がパクリ屋の模倣をすることも考えられるので、新規の取引には細心の注意を払って欲しい。

パクリ屋が跋扈する

コロナによる影響でだぶつく在庫を抱える企業から、商品を騙し取る「取り込み詐欺」が多発していると、地元マスコミが報じていた。
「最初は少額の取り引きで信用させ、繁忙期前に大量に注文し、商品を受け取って支払いをせずドロン」という古典的な手口で、昔は「パクリ屋」と呼んでいた。

パクリ屋は立証が難しく、追及されたとしても「経営難で支払えない」との言い逃れや、極端な例で1000円ずつの分割弁済で逃げ切るなどの術を心得ているという。
被害に遭わないことが一番だが、経営難に直面した事業者は神にすがる思いで信用してしまいがち。
新規の取り引きの際は、まず相手の会社の信用調査を行うしかないが、一流(?)のパクリ屋は信用調査会社さえも騙す技を併せ持っていると聞く。

コロナ禍による不況で、詐欺師が再び跋扈する時代に入った様に思える。