プロポーザルは官製談合の隠れ蓑

田川市の二場公人市長は、情報公開のトップランナーで義兄の永原譲二町長をお手本としている様で、市議会が求める行政文書の開示を頑なに拒んでいる。
また、議会の中にそれを良しとする市議もいて、市民の間から「こんなことで田川が有名になって恥ずかしい」という声が聞こえてきた。

一昨年、市が公募型プロポーザル方式で決定した「家庭ごみ収集」の業者選定において、3工区のうち2工区の最優秀だった業者が辞退、最終的に決まった業者名も契約後7カ月間公表しないなど不自然な動きがあった。

情報開示請求でプロポーザル方式の合計点以外は全て黒塗りで明らかにされないことや、市の管理職と業者との癒着が疑われる報道もあったことから、田川市議会では昨年7月に特別委員会(百条委員会)を設置していた。

百条委員会で全てが明らかになることが期待されたが、二場市長は700ページ近くの文書の多くを黒塗りにして提出、調査に一切協力する姿勢を示さなかった。

市は、文書を公開しない理由として、
① 業務提案書を公開しないのは、同業他社に 二次利用(真似)される
② 評価点は業者の絶対的評価と誤認される
③ 審査委員の名簿を公表すると、別の審査で圧力がかかる
などの恐れがあるためとしている。

なるほど、百条委員会であっても、もっともらしい理由さえあれば 開示しなくていいということを初めて知った。

例えば、市長の意を酌む職員だけを審査委員に任命して、意中の業者に高い点数を付ける不正があったとしても、理由を付けて非公開にすればバレることはない。
つまり、不公正な業者選考をしても隠蔽が可能ということになる。

このようなことをするから「プロポーザルが官製談合の隠れ蓑になっている」と指摘されるのだ。

結局10日の委員会で、調査継続を断念する報告書案が賛成多数で可決された。
採決前、ある議員が執行部を痛烈に批判する討論を行っている最中、梅林議員・尾崎議員・松岡議員・佐々木議員・陸田議員・今村議員・吉岡議員ら 7人の先生方が抗議で途中退席し、採決に加わらなかった。
また、田守議員・加藤議員は欠席し 意思を明確に示さなかった。

ちなみに、退席した中に政治倫理上の問題が指摘されている陸田孝則議員も含まれていたことを申し添えておく。
田川市の政治倫理 ~リクデンと陸田議員~ (2023年1月22日)

税金の使い道を監視する議会、しかも百条委員会が 行政の壁に跳ね返された 悪しき前例となるだろう。
どうか田川から全国に波及しませんように。


沈黙の反対(百条委員会設置議案)

情報公開のトップランナー「大任町」に隣接する田川市で、誰が見ても不自然な業者選定が行われ、市議会による百条委員会が設置されることが決まったが、議案提案から採決までの動画が公開されたので、特に市民の皆さんにはご視聴頂きたい。

こちら → https://youtu.be/dMdM-_LMsVU?t=2807

まず 百条委員会設置の議案を提出した議員から、提案理由の説明があった。
プロポーザル方式で業者選定終了後、市は業者名を公表せず、議会から再三求められても「準備に支障が出る可能性がある」との理由で拒否、その後情報公開個人情報保護審議会で「開示すべき」との答申が出たため、選定終了後 7ヵ月経ってからようやく公表するに至ったという。

この経緯一つとっただけでも常識では考えらず、「大任町」を彷彿とさせる。
議会は行政の予算の使い方を監視する機関、普通に働く議員なら 疑問を持って当然で、百条委員会設置は全会一致で可決すると思われたが その結果は…。

百条委員会を開催するか否か、採決の前に 賛成・反対の討論をする時間があったが、賛成討論があっただけで、反対討論を行った議員は一人もいなかった。
そして 採決の結果、賛成9・反対9で同数となり、最後は議長採決により辛うじて可決となった。

ちなみに 討論で沈黙したまま反対したのは、梅林議員、尾崎議員、松岡議員、佐々木議員、陸田議員、今村議員、田守議員、加藤議員、吉岡議員の9名の先生。
田川市民の皆さん、反対した先生方に 理由を尋ねてみてはいかがでしょう?