電撃訪問、国益にかなうか

岸田総理が21日、キーウを訪れゼレンスキー大統領と会談したことが報じられたが、与野党はじめマスコミは好意的に捉えている様だ。
西側で日本だけが取り残されてはいけないという考えは分かるが、紛争当事国への総理訪問がロシアの心証を悪くすることを覚悟しなければならない。

既に経済面で天然ガスの供給や漁獲量などに影響を及ぼしているが、問題はそんなことではない。
ロシアと国境を接している我が国が、国民の生命や財産が本当に守れるのか。

ウクライナ紛争が始まって以降、我が国は人道支援に止まらず、防弾チョッキ・ヘルメット・防護マスク・防護服などの自衛隊装備品を提供してきた。
いわゆる武器の供与でロシアは日本が参戦したと見なしており、いつミサイルを撃ってきてもおかしくはない。

中国と連携を強めるロシアが攻め込んできた場合、我が国は守れる体制があるのか、アメリカが守ってくれる確信はあるか。
ウクライナに肩入れするなら、こうした点について総理に説明を求めたい。

国会では小西文書問題に時間を割きメディアも追随している。
立憲民主党は相変わらずだ。
そんな取るに足らない話より、自衛隊の位置付けなど安全保障関連で曖昧にされている問題が山積しており、総理訪問が 経済や国防面で本当に国益にかなうか、真剣に議論し安心させてほしい。

井上市長は室屋氏(立憲)とバーター?

春日市の県議選(定数2)が激戦になりそうだ。
現職はいずれも自民3期目の 中牟田伸二県議(65)と松尾嘉三県議(54)、過去3回の選挙は 1・2位を激しく争ってきた。
両陣営ともこれまで以上に厳しい選挙になると見ている。



というのも、前回無所属で県議選を戦った室屋美香氏(50)が、今回は立憲民主党公認で出馬を予定しているからだ。
室屋氏は、ケーブルステーション福岡の元アナウンサーで知名度は高い。
現在は 福岡5区・堤かなめ衆院議員(立憲)の公設秘書を務め、堤氏と春日市内の公民館で小まめに集会「りっけん市民カフェ」を行い、支持を広げている。



気になるのが井上市長の動向だ。
もともと中牟田県議は2011年に井上市長が擁立した人物で、市長の後継者と言われていた。
ところが、前回2019年の選挙で、井上市長が裏で室屋氏を応援したという噂が飛び交い、幸いにして中牟田氏はトップ当選で 事なきを得たが、後援会には不信感が募っていたという。

そして、今回 室屋氏が立憲公認で立候補予定だが、3月5日に開催された室屋氏の総決起集会では 井上市長が挨拶を行い 支援を呼び掛けた。
実は、今回7期目に挑む井上市長には、既に立憲から自民よりも早く推薦が出してもらったという事情がある。

過去に多選批判を繰り返してきた民主系の立憲が、プーチンより任期の長い井上市長に推薦を出すとは驚きだが、「市長の室屋支援と立憲の市長支援はバーター」と見られており、あからさまな市長の室屋支持に中牟田県議の支持者からは不満の声が上がっている。

政治の世界は何でもあり、戦国時代と同じだ。
どうする、中牟田県議?

井上市長、7選出馬へ!

斉藤国交大臣に違法状態を指摘されても改めようとしない大任町の永原譲二町長は現在5期目、多選がいかに望ましくないか教科書の様なケースと言える。
予算や人事の権限が集中する首長が長期間在任すると、政策や人事が硬直し 役所内は忖度が横行、また利権絡みで汚職の温床になりがちだ。



ところで、春日市の井上澄和市長が12月議会の一般質問の中で、4月の市長選で7選を目指す意向を表明した。
県議3期を経て、1999年(平成11年)4月に初当選し現在6期24年目、もちろん福岡県内の現職首長の中では最も長く、あのプーチン大統領(70)の在任期間を超えている。

だが、どんなに多選であっても選挙で住民が選べば何ら問題はない。井上市長はまだ 71歳、筑紫野市には 80歳で4期目を目指す大先輩もおられるので、7期目は通過点として9期目まではいけるという関係者の声も聞こえてきた。

ロシアがかわいそうって?

夕食の際、中1の息子が「ロシアもかわいそうやろ?」と呟いたので驚いた。
更に「約束破る方も悪いやろ?」とも。
何でも社会の先生が お話好きで、授業を脱線して面白い話をしてくれるらしい。
そんな先生は筆者の学生時代にもいて、その時間は楽しみだった記憶がある。

しかし、その感想はいただけない。
まさか約束を破ったらコテンパンにやられるという教訓を伝えたかったのか。
いや、ただ単に、息子のピントがずれていているだけかもしれない。

先生は、プーチンがウクライナ侵攻に至った経緯を説明したと思われ、確かに冷戦終結後、NATOを拡大しないという約束が反故にされたことについて言及したのだろう。
しかし、その前後にもクリミア戦争からブタペスト合意、そして今日に至るまで 長く複雑な歴史があり、簡単に一部分だけ切り取って語ることは難しい。

  • 国境を越えて ウクライナの民間人を無差別に虐殺しているのはロシアということ。
  • 第二次世界大戦中、中立条約を破って敗戦濃厚な日本に攻め込んできたこと。
  • ロシアが日本から樺太、千島列島を奪った歴史。
以上を、我が国も ロシアから いつ侵攻されても不思議ではない状況と合わせて説明すれば、「ロシアがかわいそう」とか「約束破る方も悪い」という感想にはならないと思うのだが。