どこでも有り得る給食中止

先月16日、福岡市都市圏の自治体で、中学校給食で配膳されるお弁当が 急遽、予定とは違う「非常食」に替わった。
なんでも、委託されている業者が、茶色く濁った井戸水を使用して 作っていたことが判明、弁当を廃棄して代替の食事を準備する様、教育委員会が指示したということだ。

給食中止とはならなかったが、大阪市の市立小学校の給食では、配送車の手配ができないという理由で当面中止になり、児童と教職員あわせて約1万2千人に影響が出ているという。
学校給食は 数が多いだけに、一つのミスが命取りになる恐さがある。

学校給食には自校方式、センター方式、民間への業務委託などがあるが、どの方式にもメリット・デメリットがある。
昔は自校方式やセンター方式が主流だったが、最近は人件費抑制の一環で 民間への業務委託が増える傾向にあり、全小中学校の給食を一括して 一業者が請け負っている自治体もある。

民間への業務委託は自治体にとっては楽になるが、事業者が児童・生徒数に合わせて設備投資をしているため、今回のケースや食中毒等の問題が起こったとしても、すぐ別の業者に切り替えるという訳にはいかない。
こうした場合、全体で暫く給食が中断する可能性が出てくる。

学校給食の民間委託の現状について、競争原理が働かず何か問題があっても 自治体も強く指導できず、事業者側にも緩みも出てくるデメリットを指摘する声がある。
アレルギーなどで死亡事故に繋がることも考えられる。
問題が起きる前に、自治体も小まめにモニタリングを徹底する体制を取ることが重要になってくる。