鈴木宗男氏は貴重な人材

日本維新の会は、ロシアを訪問した鈴木宗男参議院議員の除名処分を決定、これに対し、鈴木氏は自ら離党届を提出し受理された。
党に事前の届け出の手続きを怠った上、現地で「ロシアの勝利を確信している」などと発言したことが問題視されていた。

鈴木氏は極端にロシア寄りだが、それだけに貴重な人材でもある。
安部総理亡き後、いったいどの政治家がロシア当局と話せるというのか。
我が国とロシアは国交を断絶した訳ではなく、天然ガスや漁業で協力をしていかなければならない。
ましてや 敵国にしてはいけない国である。

今回の鈴木氏の訪露が、総理の密命を帯びていた可能性はゼロではないと想像する。
こうしたロシアとのパイプを持つ人材こそ大切にするべきで、総理もその点を十分認識しているはずだ。
鈴木氏におかれては、今後は無所属で 我が国の国益のため 存分に活躍して頂きたい。



 

電撃訪問、国益にかなうか

岸田総理が21日、キーウを訪れゼレンスキー大統領と会談したことが報じられたが、与野党はじめマスコミは好意的に捉えている様だ。
西側で日本だけが取り残されてはいけないという考えは分かるが、紛争当事国への総理訪問がロシアの心証を悪くすることを覚悟しなければならない。

既に経済面で天然ガスの供給や漁獲量などに影響を及ぼしているが、問題はそんなことではない。
ロシアと国境を接している我が国が、国民の生命や財産が本当に守れるのか。

ウクライナ紛争が始まって以降、我が国は人道支援に止まらず、防弾チョッキ・ヘルメット・防護マスク・防護服などの自衛隊装備品を提供してきた。
いわゆる武器の供与でロシアは日本が参戦したと見なしており、いつミサイルを撃ってきてもおかしくはない。

中国と連携を強めるロシアが攻め込んできた場合、我が国は守れる体制があるのか、アメリカが守ってくれる確信はあるか。
ウクライナに肩入れするなら、こうした点について総理に説明を求めたい。

国会では小西文書問題に時間を割きメディアも追随している。
立憲民主党は相変わらずだ。
そんな取るに足らない話より、自衛隊の位置付けなど安全保障関連で曖昧にされている問題が山積しており、総理訪問が 経済や国防面で本当に国益にかなうか、真剣に議論し安心させてほしい。

ロシアが弱い国になる?

地元紙に、元新聞記者が講演を行った記事が出ていたが、内容があまりに的外れに思えたので一言。
その元記者は、「プーチン大統領を待つ歴史の審判」と題し、「経済力が軍事力の基礎となるところ、ロシアは経済制裁で物価が高騰し、頭脳も流出、兵士も不足しており弱い国になる」と語ったという。
この認識、大丈夫か。

欧米のメディアから流れてくる情報を見ていると確かにそうかもしれないが、ネット上では別の見方をする専門家も少なくない。
3月の国連総会でのロシアへの非難決議では、193ヵ国中 141ヵ国の賛成多数で採択したものの、アメリカ主導の対ロシア輸出規制に参加しているのは37ヵ国に止まり、その他の国は貿易を継続、一時的に暴落したルーブルも現在はウクライナ侵攻時より高い水準で推移している。

先月には、ロシアが、友好的な「中国・インド・インドネシア・ブラジル・トルコ・メキシコ・イラン」による「新G8」を提唱していると報じられ、これにはかなり驚かされた。
基軸通貨をドルとする西側経済圏に対抗して 新たな非ドルの経済圏を作る構想で、資源や食糧の裏付けもあり、かなり現実的に思える。

参院選は、欧米追従の岸田政権を国民が支持した結果に終わったが、こうした世界の動きを見ると 不安になる。

北方領土を奪ったロシアも信用できないが、それは2度も原爆を落としたアメリカとて同じこと。
軍事面・経済面で国民の命を守るという意味で、欧米に追従していくことが正解という確証はない。

ロシアから見れば、ウクライナに侵攻しただけで 日本には何の危害は加えていない。
一方的に日本が外交官を追放し、経済制裁を仕掛けてきただけ、当然ロシアの反発は大きい。
こうした中で敵対を続けていくのか、どこかで関係修復に向かうのか、外交は難しいが 我が国独自の付き合い方というものを模索していく必要がある。

大幅減益、西部ガスグループの今後

西部ガスホールディングス㈱の 2022年3月期の決算が発表された。

グループの連結売上は2152億7300万円で前年比 12.1%増だったが、営業利益が4億5100万円と前年比90.7%の大幅減益となった。
セグメント別に見ると、本業のガス事情で53億3100万円の損失が出ている。
現在、マレーシアからLNGのほぼ全量を調達しているが、昨秋ガス田でトラブルが発生、スポット市場で調達を余儀なくされたことが赤字の直接的な原因という。

2023年3月期は、トラブルが改善するため 増収増益を見込むとしているが、ロシアのウクライナ侵攻の影響が懸念される。
ロシアの企業と合弁会社設立で合意しているアジア向けLNG販売事業も、エネルギー大手のBPやシェルがロシア撤退を表明する中で、先行き不透明の状況に陥っている。

政府はサハリン2の事業を継続する方針を示し、エネルギー事業でロシアとの関係を続けていくとしているが、外交関係が悪化の一途を辿っており 関係者の不安な日が続いている。


西部ガスホールディングス 決算短信より

 

ロシアがかわいそうって?

夕食の際、中1の息子が「ロシアもかわいそうやろ?」と呟いたので驚いた。
更に「約束破る方も悪いやろ?」とも。
何でも社会の先生が お話好きで、授業を脱線して面白い話をしてくれるらしい。
そんな先生は筆者の学生時代にもいて、その時間は楽しみだった記憶がある。

しかし、その感想はいただけない。
まさか約束を破ったらコテンパンにやられるという教訓を伝えたかったのか。
いや、ただ単に、息子のピントがずれていているだけかもしれない。

先生は、プーチンがウクライナ侵攻に至った経緯を説明したと思われ、確かに冷戦終結後、NATOを拡大しないという約束が反故にされたことについて言及したのだろう。
しかし、その前後にもクリミア戦争からブタペスト合意、そして今日に至るまで 長く複雑な歴史があり、簡単に一部分だけ切り取って語ることは難しい。

  • 国境を越えて ウクライナの民間人を無差別に虐殺しているのはロシアということ。
  • 第二次世界大戦中、中立条約を破って敗戦濃厚な日本に攻め込んできたこと。
  • ロシアが日本から樺太、千島列島を奪った歴史。
以上を、我が国も ロシアから いつ侵攻されても不思議ではない状況と合わせて説明すれば、「ロシアがかわいそう」とか「約束破る方も悪い」という感想にはならないと思うのだが。