米中を利する清和研潰し

政治資金を巡る問題で、塩谷立 元文部科学相と世耕弘成 前参院幹事長に 除名の次に重い「離党勧告」処分を検討しているという。
恥ずかしながら 塩谷氏の名前は、安倍元総理が凶弾に倒れた後、清和研が5人体制となるまで 記憶になかった。

ネットで調べると、2世議員で10期目のベテラン、派閥の代表になってもおかしくはない経歴ではあるが、森喜朗元総理はお咎めなしで この人に責任を押し付けて処分というのには違和感を覚える。
一見 人が良さそうで 逆襲しそうにもない、いじめっ子から見たら 適任ということか。
塩谷氏は、前回衆院選では比例復活だったので、公認がなければ 政治生命は終わるだろう。

ところで、最大派閥として我が世の春を謳歌してきた清和研の惨状を 誰が想像しただろうか。
振り返ると 2022年7月8日に安倍元総理が凶弾に倒れてから 清和研の転落は始まった。
無論、安倍氏が健在だったら こんなことになっていないだろう。

確かに、派閥パーティのキックバックを政治資金収支報告書に記載しなかったこと、そのくせ一時所得として納税もせず、いわゆる裏金になっていたことに国民は怒っている。
但し、保身しか考えない国会議員が多い中、清和研は 他会派と比べ、国民の生命と財産、我が国の伝統と文化を守るという観点で行動してきた会派だったことは紛れもない事実だ。

次期選挙で 清和研の議員らが軒並み落選すれば、自民党内で LGBT法のような悪法に抗う勢力が縮小し、国益を重視する国民の声が届かなくなることを意味する。

今国会で外国人労働者受入れが拡大し、実質移民が増える法改正が議論されており、治安の悪化が心配されている。
また、今回中国の国営企業の透かしの問題が発覚し、我が国の根幹を成す防衛やエネルギー政策において、国益に反する政治家が政府中枢や国会内にいることが判った。

安倍元総理の暗殺から今回の清和研潰しは、結果として米国民主党や中国の対日政策に有利に働いていることは間違いない。

二階幹事長交代の裏は

総裁選に向けて、様々な動きが出てきた。
立候補の意向を示していた下村博文氏政調会長が、官邸で菅義偉首相と会談後、出馬を取り止めることを発表した。
首相から出馬を見送るか、政調会長を辞任するかを迫られとのことだが、文科大臣時のベネッセの件で一喝されたとも囁かれている。

一方で、二階幹事長が菅総理大臣と会談した際、自らの幹事長交代を容認する考えを伝えたというニュースだが、これまでの傍若無人ぶりから 俄かに信じがたい話だ。
岸田氏が二階氏の長期幹事長在任を念頭に、「役員1年交代・最長3年」を声高に叫んだことで、世間の注目が集まっていることは確かだ。
自身の言動が 自民党への信頼を落としていることを悟ったというわけではなく、何か代わりに条件を引き出したのではと つい考えてしまう。

御年82歳、幹事長職を辞するとすれば 政界引退に現実味が出てくる。
三男が後継と言われているが、和歌山3区へ参議院議員の世耕弘成幹事長が鞍替えを狙っているという話もあり、その辺りで 調整したか。
それとも二階派所属議員に、次の閣僚や党役員の要職を充てる人事の確約があったか。