歪んだ3号線広川~八女バイパス「広川町編⑥」

広川町の関係者の方から、平成27~29年度、町が国と県に新バイパスの要望書を出したという貴重な情報を頂いた。

広川町の懸案事項の一つに、町の中心を東西に横断する県道84号(三瀦上陽線)の整備がある。
特に、広川町役場北入口交差点から水原地区の若宮神社の間、約3.8kmは狭隘で上陽町方面に向かう大型トラックの往来も多い道路、道路沿いには2つの小学校と1つの中学校があり通学路になっている。



道路の拡幅が一番理想ではあるが、多くの民家が張り付いているため現実的ではない。
そこで、広川町は平成27年5月、県に対し県道84号(三瀦上陽線)のバイパスの要望書を提出している。
それを再現したのが下の図で、広川ICから水原地区の若宮神社付近までを結ぶルートだ。
これが実現すれば、上陽町方面へ往来する大型トラックが流れて、通学路の安全性向上に寄与すると思われる。

それと同時に、国に対しては、整備中の県道82号(久留米立花線)と並行する国道3号バイパス化を要望していた。



町は平成30年度以降はそのルートの要望を止め、令和2年6月に国が最終的なルート案(下図)を示した。
平成27~29年度の要望にある、2つのバイパスの折衷案のようなルートだが、今回地元から不満の声が上がっているのが、ルート上に上広川小学校があること、つまり校舎の移転・建て替えになるということだ。



ー 続く ー

歪んだ3号線広川~八女バイパス「広川町編②」

国が、バイパスの起点がこの場所になる可能性を示したのが、令和元年(2019年)11月8日、社会資本整備審議会の資料として添付されたのが初めてである。
(1)現道4車線拡幅、(2)バイパス最短ルート、(3)バイパス山側ルートの3案のうち、(3)の山側ルートになれば起点になることが分かる。

そして今年5月、同審議会で山側ルートに決定、6月に山側ルートの帯の範囲内で、国道事務所が詳細ルート(下図 ピンクのライン)を広川町に提示した。
現在は、広川町の総意として、県に都市計画決定の要望書が提出され、県の方で手続き中である。

今回、急ピッチで造成を終えた場所はオレンジの部分だ。



ここが造成された理由は、「農地の改良」ということになっている。
もともと地目が「農地」だったところだが、平成29年9月20日付で「耕作能力を上げるため、山土を採取し、土地高低差を減少させる」ということで、広川町の農業委員会を通じて県に許可申請書が提出されている。
添付された資料を見ると、3年間で 約1万400㎡の山林から、土砂約2万5000㎥を採取、その後、果樹園にして、梨の木 約48本、梅の木 約15本を植栽するという壮大な計画で、造成費用は約1200万円とされている。

先月末に造成を終えたばかりなので、これから梨と梅の木が植栽されると思われるが、これだけの投資をしたのだから、最高級の品種の梨や梅が栽培されることだろう。



ー 続く ー