学長人事、理事会否決に怒りの声

少子化が進む中、全国の私立大学が生き残りをかけて改革に取り組んでいるところだが、学校法人九州国際大学(北九州市八幡東区)で、9月から任期が始まる次期学長が決まっていない。

現学長は元文部科学副大臣の 西川京子氏、平成28年9月就任後、地域活動にも率先して取り組むなど 学校改革を積極的に進め、学内外の評価は高い。

8月に任期が終了する西川氏は、引き続き大学改革を積極的に進めてくれる人物を探していたが、政治家として培った人脈の中から ロバート・エルドリッジ氏(54)に白羽の矢を立てた。
エルドリッジ氏は、アメリカ合衆国の政治学者、元在沖縄米軍海兵隊政務外交部次長、東日本大震災の時の「トモダチ作戦」の立案者で知られ、学内では グローバルな視点で 特徴ある教育を実践してくれるとして期待が高まった。

その後、学内の推薦会議、教授らによる教育研究協議会において それぞれ全会一致でエルドリッジ氏の推薦が決定、あとは法人理事会で賛同を得られれば 新学長決定となるところだったが、5月末に行われた理事会で否決され、白紙に戻ってしまったという。
エルドリッジ氏に代わる人物を探すところから始めると、9月の任期スタートには間に合わないことになる。

学内では、全会一致で決まった人物が否決されたことに対し 怒りの声が上がっている様だ。
透明性が求められる時代、理事会においては 否決した具体的理由を 明らかにするべきだ。
大学の学長が決まらないとなると一大事、九国大の学生、附属高校の生徒、保護者、OB、そして 未来の学生・生徒たちも注目することになるだろう。