飾り山が消える

博多祇園山笠の舁き山が、コロナ対策を徹底した上で3年ぶりに実施されることが確実になった。
待ち望んだ夏の風物詩、これで福博の街に活気が戻ってくる。

一方で残念なニュースも。
ある流で、約30年間飾り山製作の資金を提供してきた企業が、今年初めに辞退を申し出て、飾り山を建てることができなくなった。
資金を1企業に依存してきたことが要因だが、地元のショックは大きい。

背景には、コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻、燃料の高騰、円安と 畳み掛けるように悪条件が重なる。
背に腹を変えられない事情があり、企業としても苦渋の選択だったと思われる。

流の関係者は「まずは今年の舁き山を無事に成功させること、その後は 来年の飾り山復活に向け、資金調達のあり方など協議していかなければならない」と語った。


筥崎宮 ~ 放生会の幕出し

お盆も終わり、一息ついていたところに、筥崎宮から「放生会 幕出し」の案内状が届いた。

「筥崎宮放生会」は、「万物の生命をいつくしみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝する」という、1000年以上続く祭りであり神事、そして「幕出し」はお祭り好きな博多の旦那衆が、箱崎浜の松原の一部を幔幕で仕切って、商家や町内ごとに宴会を楽しんだのが始まりといわれており、一方では博多山笠の期間中、店や家庭をかえりみず、好きなことばかりしてきた旦那衆に、ごりょんさんが新しい着物をねだって買ってもらい、お披露目する場であるともいわれている。

新ショウガや「梨も柿も放生会」で知られた「筥崎宮放生会」は、9月12日から18日まで開かれ、参道には多くの露天夜店が出ている。

戦後まもなく廃れていたが、博多町人文化連盟の方々が復活させた「放生会 幕出し」、今では筥崎宮が音頭を取り、振交会世話人を中心に毎年、境内の「清明殿」で、地元財界人が多数参加して盛大に行なわれている。

日中はまだまだ暑いが、朝夕は過ぎし易くなっており、秋はすぐそこまで来た。