トーンダウンの70年談話

「虎は死して皮を残し、人は死して名を残す」の言葉があるように、後世に名を残したい安倍総理は、戦後70年の節目に当たる総理大臣として談話を発表、「安倍」の名前を残したい気持ちは十分に理解できる。
当初は自分の意見を強く打ち出した談話を発表する意気込みだったと思うが、安保関連法案が衆議院で審議が始まった頃から反対運動も強くなり、国会周辺のデモも勢いを帯びて来た。
安保法案にしても短兵急で、もう少し時間をかけて説明すれば国民も理解し、支持率の急速な低下も避けることが出来たのではないだろうか。
一度坂道を転がり始めた支持率を戻すには大きな力が必要で、今はすべてが裏目になっているように思える。
テレビで今回の談話を見ていると、期待していた談話とはかけ離れた、左右に気配りし過ぎて水で薄められたような気がしてならず、本音をしゃべれと思わず言いたくなったほどだ。
ローマの詩人の言葉に、「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」というのがあるが、ここまで弱気になった安倍総理の談話を聞く限り、自ら総理の椅子を投げ出した数年前を思い出す。
記者の質問の中には、安保賛成派にヨイショしたかのような、「子や孫に謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」などのコメントを、わざわざ強調する一幕はまるで出来レース。
人は体調がすぐれないと弱気になる習性があるが、秋の総裁選までに逆転のホームランが打てれば良いのだが・・・。


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