どんでん返し

内閣官房記者会見において、ペーパーなしで記者からの鋭い質問にも隙を見せず的確に切り返すなど、特にここ数年、安倍政権の大番頭として菅義偉氏の貫禄が増してきたように誰もが感じていたことだろう。

安倍総理からの禅譲を目指す岸田文雄自民党政調会長に比べ、「令和おじさん」として脚光を浴びるなど露出も増え、昨夏頃まではポスト安倍の有力候補として浮上していた。

しかし、政界は魑魅魍魎の住む世界、誰が絵を描いたのか、花の舞台から一転、相次ぐ週刊誌報道で風向きが変わった。

菅氏の力で内閣に押し込んだとされる菅原一秀経済産業相、河井克行法相がスキャンダルで辞任、小泉進次郎環境相もポエム発言やスキャンダルで急激に評価を下げている。

さらに、「桜を見る会」における反社会勢力とされる人物とのツーショット写真が拡散、側近の和泉洋人首相補佐官の不倫出張問題など失点続きである。

しかし、「七転び八起き」の例えがあるように、このまま終わるとは思えず、どの様な反撃の絵を描いて行くのか、新年早々から目が離せない局面になりそうだ。

すべてが遅すぎる ~ 安倍総理の判断

安倍総理はG20への出席を理由に、国会を半ば強引に閉会して昭恵夫人を同伴し渡欧、外遊中も国内情報を入念にチェックしていたはずだが、帰国後に支持率低下を肌で感じたのか、予算委員会閉会中審査に出席することをしぶしぶながら承諾したようだ。

安倍総理本人の出席は認めたが、和泉洋人首相補佐官や関係者7名の出席は拒んでおり、往生際の悪さから支持率はさらに10ポイントは確実に低下、時事通信の発表によれば29.9%を記録、ついに大台を割り込んだようだ。

森友学園問題での渦中の人物の国税庁長官への転出人事に加えて、今度の8月の内閣改造では実の弟である岸信夫衆議院議員を外相として入閣させることを考えているようで、国民が納得できない人事を罷り通らせようとしている。

安倍総理が再び政権を投げ出す瞬間が近づいてくるのを待ち構えている人もいるが、本来受け皿となるべき民進党も音を立てて崩れ去ろうとしており、日本はどうなるのだろう。