厳格な県、生ぬるい国

建設業者の監督は、2つ以上の都道府県の区域内で営業する場合は国交省が、1つの都道府県の区域内のみで営業する場合は都道府県が行っているが、その指導や処分のあり方は国や各都道府県によって異なっているという。

福岡県は1月11日付で㈱大島産業(宗像市、以下大島)に対し、昨年の9月に続き、2回目となる営業停止処分(17日間)を科した。
処分理由は、同社がNEXCO中日本発注の耐震補強工事で、重大な瑕疵を生じさせたこと、また福岡県発注の県道橋梁工事等で虚偽の施工体系図等を作成したこととしている。

一連の調査で、大島産業及び関連した100%子会社の ㈲エイチ・ワイ・ディ(宗像市)、更には 塚本總業㈱、塚本不動産㈱(いずれも東京都)等については、これまでの処分の枠外の建設業法違反のほか、有印私文書偽造、税法、会社法違反など 法令違反の疑いが数多く露見しており、今後 県から各所轄庁への通知が出されると思われる。

建設業の監督官庁として 福岡県は実に厳格に対処している。
それに比べて 国交省は生ぬるい印象を拭えない。
最近では、国交省が JR九州住宅㈱の不法行為について、2年前に情報提供を受けていながら頑として動かなかったが、同社の監督が県に移ってからは 県が素早い処分を下している。

国交省におかれては、まさか国会議員への忖度があるとは思わないが、建設業界は暴力団との関わりや、実体のないペーパー会社で売上を伸ばす企業が出やすいため、今後もしっかりと監視していくことを期待したい。