再選有力の阿部さん・福岡4区

支持率急上昇で次期衆院選で議席増が予想される日本維新の会であるが、福岡県下の選挙区でも候補者擁立が急ピッチで進められている。

選挙区で勝つのはハードルが高いが、期待は比例の議席増、前回九州ブロックで2議席を獲得、今度は 自民批判票の受皿としての存在感が増していることに加え、立憲・公明・共産の支持率低下で3議席以上、上手くいけば5議席という声もある。


次期衆院選では、維新は九州全体で 10~20人を擁立すると見られるが、比例枠3~5を巡り 激しい身内同士の争いになりそうだ。
惜敗率で最有力と見られているのが 福岡4区、前回も比例復活した現職の阿部弘樹議員だろう。
同区には自民現職の宮内秀樹氏がいるが、先月 吉松源昭県議が無所属でも出馬する意向を示し自民支持層の分裂は必至、阿部氏の喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。



阿部氏と言えば2021年衆院選後に福岡県連の代表に就いていたが、6月3日に行われた代表選で 天野浩市議に敗れ 代表の座を追われている。
任期(2年)途中の代表選は異例のこと、その理由は、阿部氏が副代表の山本剛生氏(福岡1区で出馬し比例復活)との 勢力争い・足の引っ張り合いに明け暮れていたから。
参院選や統一地方選の候補者選びでは、互いに自分の身内や知人を優先的に引っ張り上げるなど、改革政党のトップとして相応しくない行動が目に余ったため、地方議員から代表交代を望む声が出ていた。

再選が有力で優秀な阿部氏だけに期待は大きい。
一兵卒から再スタートし、国家のため、福岡のために 汗をかいて頂きたい。

世襲の是非を問う町長選

任期満了に伴う新宮町の町長選挙(4月18日告示、23日投開票)は、現在までに長﨑琢也氏(52)と桐島光昭氏(59)の2名が名乗りを上げている。

長﨑氏は3期務めた長﨑武利町長(81)の長男、家業の酒類販売会社役員を経て、平成28年から昨年12月末まで宮内秀樹衆院議員の秘書を務めた。
一方の桐島氏は、同町職員として健康福祉課課長、都市整備課長、政策経営課課長などを歴任した。

新宮町はこれまで、都市基盤整備を計画的に進め、大型商業店舗を誘致するなど利便性が向上したことで、子育て世代が移住し成長を遂げている。
そのため両者共に現町長の路線を継承する方向性は同じで、争点は世襲の是非になりそうだ。



国会議員や県議会議員の世襲はよく聞くが、地方自治体の首長の世襲はあまり馴染みがない。
現職の世襲首長としては、青森県むつ市の宮下宗一郎市長(2期目)、大分県姫島村の藤村昭夫村長(10期目)の例がある。

一方、平成30年6月の青森県五所川原市の市長選と同31年4月の大阪府池田市の市長選において、いずれも現職市長の長男が出馬したが一騎打ちで敗れている。
地盤・看板・かばんを兼ね備えていても必ず勝つとも言い切れない様だ。

最近は岸田総理が政務秘書官に起用した長男・翔太郎氏の「公用車で土産」問題や、前述の岸前防衛相の長男・信千世氏が公式サイトに「家系図」掲載など、国民感情を逆撫でする報道が続き世襲への風当たりは強くなるばかり。

8年ぶりとなる町長選挙、新住民も含め有権者が世襲の是非をどう判断するか注目だ。



 

6対5

福岡県内の衆議院議員は11の小選挙区に分かれており、前回の選挙では11人の自民党議員が当選している。
福岡県知事選挙で現職の小川洋候補を、堂々と支援表明しているのは、2区の鬼木誠氏、3区の古賀篤氏、4区の宮内秀樹氏、6区の鳩山二郎氏、7区の藤丸敏氏、11区の武田良太氏の6名である。
自民党の残る5名と参議院議員の2名は、麻生太郎副総理の顔色を窺う人達で、忖度の達人として自民党内においては、安倍総理の一強に貢献しているが、福岡県民の民意に大きく反する国会議員として、獲得する票を減らすのは間違いないだろう。
特に数年前に行われた北九州市長選挙において、水面下で調整が行われていた際に、事前に候補者名をマスコミにリークした、国会議員の行為を北九州市民は思い出して欲しい。
今回の県知事選挙においても、福岡市長候補であった武内和久氏を、周囲の状況判断を誤って知事候補に祭り上げ、麻生太郎副総理だけでなく、知事候補の推薦をした自民党の評判まで落し、自分の勢力拡大だけ考えている、国会議員の責任はどうなるのだろう。



続きを読む