世界に認められた自然と人との共生圏“祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク”

神話の里・高千穂町の地域おこし協力隊となった福島が、「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」を紹介します。

「ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)」とは、豊かな生態系を有し、地域の自然資源を活用しながら持続可能な経済活動を進めるモデル地域として認定された場所です。



世界自然遺産や文化遺産は知られていますが、世界遺産の登録は「顕著な普遍的価値」の自然や文化を厳格に保護することを目的としており、一方でエコパークは自然と人との共生、持続的な発展を目指しそのモデル地域が認定されます。なので、地域の自然だけでなく、地域で育まれてきた歴史や文化も対象となります。


渓谷を活用した棚田


「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」は、大分県竹田市・豊後大野市・佐伯市、宮崎県高千穂町・日之影町・延岡市の地域で構成されています。その6市町に位置する祖母山(1,756m)、傾山(1602m)、大崩山(おおくえやま/1643m)が織りなす、急峻な岩峰や数多の渓谷などの地形と原生的な自然が残り、希少動植物の宝庫が特徴です。



また、古くから山々の恵みを享受し神楽や獅子舞など豊作や安全を祈願する祭礼が伝統的に行われている地域でもあります。こうした自然の作り出した地形とその恵みを大切に、活用しながら受け継ぐ仕組みができている地域だからこそ認定されました。


神様へ奉納する神楽


そんな自然と人とが共生する高千穂町に憧れ、住んでみたいという想いから地域おこし協力隊となり、この「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」の推進を行うアウトドアプログラム開発担当となりましたので、これから様々な高千穂の自然や歴史、文化をご紹介していきます。


長い年月を経てできた渓谷

 

祖母・傾・大崩ユネスコエコパークHP
http://sobokatamuki-br-council.org/

福島優
九州自然歩道フォーラム事務局長/高千穂町地域おこし協力隊
https://kntf.jp/yuswalkhistory/

 

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神話の里・高千穂の祖母山

天孫降臨の地として、また急峻な山々と深い渓谷が有名な高千穂。高千穂峡や高千穂神社、天岩戸神社へ行かれたことのある方も多いと思いますが、その高千穂の地域おこし協力隊に2020年4月に着任しました。神話の里・高千穂も少しずつ発信していきます。

第1回目は、高千穂町が誇る宮崎県最高峰、そして2017年に登録された「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」でもある“祖母山(標高1756m)”です。山名は、神武天皇の祖母に当たる豊玉姫を祀っていることに由来します。

一般的な登山道は、宮崎県高千穂町の北谷登山口、もしくは大分県竹田市の神原(こうばる)登山口になります。どちらも2時間半~3時間ほどで山頂まで登れ、山頂からは360度の絶景が楽しめます。くじゅう連山や阿蘇五岳、遠くは雲仙普賢岳を見られることも。春はアケボノツツジ、夏は深い緑の森、秋は紅葉、特にヒメシャラの紅葉は美しいです。そして冬は積雪するため雪山も楽しむことができます。原生林が残り、自然豊かな祖母山は、四季折々の楽しみがあります。



高千穂の観光を楽しみつつ、祖母山へ登れば、さらに高千穂の魅力が感じられるかと思います。ぜひ高千穂へお越しの際は、登ってみてください。

祖母・傾・大崩ユネスコエコパークHP
http://sobokatamuki-br-council.org/
(一社)高千穂町観光協会HP
http://takachiho-kanko.info/sightseeing/detail.php?log=1381220521

福島優
九州自然歩道フォーラム事務局長/高千穂町地域おこし協力隊
https://kntf.jp/yuswalkhistory/

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宮崎県の「高千穂町の神楽」を堪能。

高千穂にある里ごとに氏神(うじがみ)様を民家などの“神楽宿”に招いて、三十三番の神楽を夜通し舞い、奉納する神事です。昭和53(1978)年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
高千穂の神楽は、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れられたとき、岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)が舞ったのが始まりと伝えられています。
毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、町内20ヶ所の集落で奉納されます。



今回訪れたのは、高千穂中心部の北に位置する浅ヶ部集落。

夕方頃から行われており、公民館の講堂を開けて、座っても外から立ってでも見られるようになっています。



参加費はありませんが、初穂料やご神前をお供えするのが儀礼です。おおよそ2000~3000円程度。もしくはお酒でもよく、町の酒屋さんなどで伝えれば用意してくれるそうです。



また集落の方々からの「ふるまい」があり、カッポ酒や煮物などの料理がふるまわれることがあります。これは、神々と里人が飲食を共にして神人一体となる直会(なおらい)の儀式でもあり、必ずあるものではありません。
今年の浅ヶ部では、夜におでんとぜんざい、朝は里芋やしいたけの煮物をいただきました。



高千穂の伝統文化に触れ日本神話と歴史を感じることが出来ました。
ぜひとも他の神楽宿やまた来年訪れてみたいと思います。

ちなみに福岡でも神楽文化は残っており、福岡県北東部の京築地域や福岡市城南区の田島八幡宮や早良区の大山祇神社が有名です。

 

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